長距離フェリーはNHK受信料を払っているのか?
夜間長距離を移動する寝台特急や、長時間航海を続けるフェリーでは、乗客が車内・船内で快適に過ごすためテレビが設置されていることがあります。車内・船内のテレビでは、移動しても放送エリアが変わらないBS放送のみ映ることがほとんどで、地デジ放送を楽しむことはできません。こうした場合、NHK受信料はどうなるのでしょうか?
NHK特別契約の対象に長距離フェリー
NHK受信契約の種類には、地デジ放送のみを受信する「地上契約」、BS放送を含む「衛星契約」のほかに、あまり一般的ではありませんが「特別契約」というものがあります。特別契約は、さまざまな事情によりNHKの地デジ放送は映らないものの、NHKのBS放送だけは視聴できる世帯などが対象です。
NHK受信契約の内容を定めた「日本放送協会放送受信規約」では、特別契約の対象として難視聴地域のほかに「列車、電車その他営業用の移動体」があります。長距離フェリーも「その他営業用の移動体」に該当するため、NHKの特別契約の対象です。
特別契約のNHK受信料は、地上契約や衛星契約より割安な設定。口座振替で12か月前払いの場合、地上契約が1万2276円、衛星契約が2万1765円なのに対し、特別契約は9599円です。特別契約の金額は、衛星契約のNHK受信料から地上契約の受信料を引いた9489円にほぼ等しいので、妥当な料金設定といえるでしょう。
NHK特別契約もテレビの室数だけ受信料
そもそもNHK受信料の特別契約は、自然の地形による難視聴地域などで衛星放送のみを受信できる場合に適用されるもの。特別契約にはNHKが派遣するスタッフによる受信状況の確認が必要で、地上波の受信が不可能とわかれば特別契約が可能です。
地上契約や衛星契約より割安なNHKの特別契約は、一見お得に見えます。しかし、寝台特急や長距離フェリーでは一般世帯とは事情が異なり、テレビを設置した客室数分受信契約が必要となるため、結果として支払うNHK受信料が月10万円を超えることもありえるのです。
長距離フェリーの場合、テレビが客室に設置されているのは特等などの上級船室に限られ、二等寝台などのベッドにテレビが設置されることはありません。その結果、1隻あたり月10万円を超えるNHK受信料を支払う長距離フェリーはほぼないと考えられます。
ラジオライフ編集部
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