オービス写真は撮影ラインで車線変更した白線またぎは判別不能?
スピード取り締まりは大きく有人式と無人式に分けられます。そして、無人式で路上に設置されたカメラと赤外線ストロボでスピード違反者の写真を自動撮影するのがオービスです。このオービスの写真撮影は、じつは撮影ラインで車線変更をする白線またびは捕まらないという噂があります。このオービス写真は撮影ラインで車線変更した白線またぎは判別不能という噂を検証します。
オービス写真撮影をめぐる裁判でメーカー写真が証言
高速道路や一般道路に設置された無人式の自動スピード取り締まり装置が「オービス」です。以前は、オービスには10.525GHzのレーダー波を使って車の速度を測定する「レーダー式オービス」と「Hシステム」が主流でした。
しかし近年、主流となっているのはレーダー波を使わずに、道路に埋め込まれたループコイルによって速度測定する「ループコイル式オービス」「LHシステム」です。
そんなオービスの写真撮影に関して、10年以上前は速度の誤測定を主張して争う裁判がよくありました。その裁判に「オービスの専門家」として証人出廷したメーカー社員が、こんな証言をしたことがあります。
オービス写真で撮影ラインで車線変更の白線またぎ
オービス撮影写真で「違反車両が写真の真ん中から大きく外れ、隣の車線との間の白線を跨いでいるような場合、警察が立件しないこともあるようですね」。
警察は、裁判でうるさい弁護人から突っ込まれることを嫌い、速度判定が面倒なオービス写真はボツにすることもあるらしいとか。ただし、本当に面倒なオービス写真をボツにしているかどうかは現時点では判明していません。
たしかに原理的には、オービス写真の撮影ラインで車線変更して真ん中の白い破線上を走行するとオービスでは速度が判定しづらいかもしれません。もちろん、オービス写真の撮影ラインで車線変更した白線またぎの実行は禁止です。
オービス速度測定値はあらかじめ低く出るように設定
オービスの速度測定違反に関して「そんなスピードは出してない」と争うケースがあります。実際の裁判でオービスの速度違反の測定値の信用性を検察はどのように立証するのかを見ていきましょう。
オービスの速度違反の信用性の立証は、どの裁判でも決まりきったパターンになります。オービスのメーカーの社員を証人として呼び出して証言させるのです。オービスのメーカー社員の具体的な証言は次のようなものになります。
「測定の誤差はございます。誤差の範囲はプラスマイナス2.5%。そこで、生のデータに0.975を掛けたものを測定値とし、かつ小数点以下を切り捨てます」とオービスの測定精度を説明。誤差の範囲はプラスマイナス2.5%ということはオービスの速度測定が2.5%プラスに出る可能性があります。
そこで、あえてオービスの速度の生データに0.975を掛けることでプラスに出ないように調整。さらに小数点以下を切り捨てることで、よりオービスの速度が低く出るようになっていると説明しているわけです。
オービスの写真の撮影ラインから正確性を証言
すなわち、オービスの速度違反の測定値は実際の速度と同じか最大で5%低く、かつ約1km/h低く表示される誤差があるということ。オービスは速度がプラスに出ないように、あえて5%の誤差を設定しているわけです。
オービスの速度違反を争う裁判で、メーカーの証人は必ず「測定が終わると同時にタイマーを作動させ、測定地点(測定終了から数m先)へ車両が到達した時にカメラがシャッターを切ります。測定地点には印(小さな白線)があり、車両の先端がそこへ差しかかった時に撮影します」と付け加えます。
「本件の写真はちょうど撮影地点で撮影されておりますので、測定値は正確だったといえます」と証言。もし実際の速度違反がオービスの速度測定値より遅ければ、撮影ラインより手前で撮影されることになっているはずというわけです。(文/今井亮一)
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ラジオライフ編集部
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