覆面パトカーの見分け方は追い抜くクルマの車内
高速道路は覆面パトカーの絶好の取り締まり現場。高速道路では一般車を装った覆面パトカーが、違反車が来るのを息を殺して待っています。そこで、取り締まりに遭遇しないための覆面パトカーの見分け方や取り締まりの手順を詳しく見ていきましょう。

覆面パトカーの取り締まり手順
後方から勢いよく飛ばしてくる違反車といかにして巡り合うか…それが高速道路における覆面パトカーの取り締まり手順。第1通行帯を走る大型トラックの前を隠れながら80km/hくらいで走ったり、本線を見下ろせるパーキングエリアに止めて、違反車がやって来るのを待つのです。
しかし、違反車が追い越し車線を飛ばしていっても、覆面パトカーはすぐに車線変更はせず、第1通行帯を走りながら違反車との距離を詰めていくとか。違反車は真後ろから追い上げてくる、自分より速いクルマには敏感だからです。
違反車を追尾距離に捕らえたら、追い越し車線に入り、真後ろに付いて速度を合わせて測定開始です。違反車は130km/hや140km/hを出しているので、200mの追尾も毎秒35m以上進みますから、6~7秒もあれば測定は完了します。
覆面パトカーの簡単な見分け方
高速道路は各車がバラバラに走っているように見えて、実は集団を形成しながら走っているもの。覆面パトカーはその集団に紛れています。そして、集団を抜け出そうとするクルマや、後方から追い付き抜いていく違反車を取り締まるのです。
ただし、違反車のいない集団もあります。そんな時は一旦、パーキングエリアに入ってリセット。次の集団が来るのを待って合流します。パーキングエリアの出口付近に、覆面パトカーが止まっているのはこのためです。
覆面パトカーの簡単な見分け方は、追い抜くクルマの車内をよく見ること。青い制服の隊員が2人乗っていたら交通取り締まり用の覆面パトカーです。
知識があるドライバーは横に並んだ瞬間にこちらを見て、アクセルを抜きそのまま下がって行くか、速度を落としてゆっくりと第1通行帯へ入っていきます。
覆面パトカーはルーフに大きなフタ
覆面パトカーの交通取締用四駆車で多い車種はトヨタ・クラウン(200系)。白黒パトカーの交通取締用四駆車と同じ3,000ccモデルです。ひと昔前の覆面パトカーにあった外観のチグハグさはなくなって、一般車との見分け方が難しくなっています。
交通違反専門の交通機動隊員の運転技量は非常に高く、覆面パトカーに狙われたら最後。あっという間に追尾・測定されてしまうでしょう。スピード違反のキップが切られることなります。
そんな覆面パトカーの外見的特徴は、ルーフの真ん中から電動で出てくる反転式の赤色灯。そのため、覆面パトカーのルーフの真ん中には大きなフタがあります。これがあるかないかが覆面パトカーの見分け方です。
エンブレムがないのは覆面パトカー
ただし、覆面パトカーのルーフのフタは運転席の高い大型車からは丸見えですが、乗用車からは確認できません。それとグリル内に2つの前面警光灯を隠しており、スピード測定の際はこれを光らせてきますが、潜伏中は覆面パトカーの外観から見分けることは至難のワザです。
ただし、180系と200系クラウンの場合、トランクリッドにグレードエンブレムがない場合は、覆面パトカーの可能性が大です。
一方で、覆面パトカーと見破られることを嫌った現場では「RoyalSaloon」のエンブレムを貼り付ける擬装行為が頻発しています。エンブレム有りの覆面パトカーが存在するので注意しましょう。
覆面パトカーにクラウンアスリート
これまで、クラウンの交通取り締まり用の覆面パトカーは基本的にロイヤルがベースとなっていました。しかし、210系クラウンの覆面パトカーからはアスリートモデルに変更。攻撃的な印象のフロントグリルになっています。
実は210系クラウンからはロイヤルに2,500ccまでしか設定がありません。このため、無線警ら用の白黒パトカーは従来通りロイヤルベースですが、交通取り締まり用の白黒パトカーは3,500ccの設定のあるアスリートが採用されたのです。
そして、交通取り締まり用の覆面パトカーもこれに準じて、210系クラウンではアスリートになったというわけ。このほか、3,500ccのエンジンを搭載するトヨタ・マークXも覆面パトカーに採用されています。
捜査用の覆面パトカーは刑事の足
覆面パトカーには警察ドラマでもおなじみの、刑事たちが使う捜査用もあります。正式には「私服用セダン型無線車」と呼ばれるもの。刑事たちの足代わりなので、交通取り締まりは行いません。
捜査用の覆面パトカーの特徴は、車種がトヨタ・アリオンやスズキ・キザシといったマイナーな車種が多いことです。どちらかというと一般車に紛れ込むことが大切だからでしょう。
ただし、トヨタ・マークXや日産・スカイラインといった交通取締用の覆面パトカーと同じ車種を、捜査用として導入している警察本部もあります。こういった場合は、覆面パトカーを見極めるテクニックが必要です。
捜査用の覆面パトカーはマグネット式
捜査用の覆面パトカーはマグネット式の赤色灯を車内から手でルーフに載せるのが特徴。助手席側から載せる場合が多いので、左側に寄ることになります。交通取締用の覆面パトカーのようにグリル内に前面警光灯は装備していません。
捜査用の覆面パトカーは緊急時は電源コードをバタつかせながら走ることがほとんど。なかには電源コードをしっかりと固定している覆面パトカーもありますが、レアケースといえるでしょう。
なお、警視庁管内には交通課配備のトヨタ・ハイエースの覆面パトカーがあります。単なる輸送車ではなく、スピード以外の交通違反をガンガン取り締まってくるとか。赤色灯を常時おでこに付けていますが乗用車のルームミラーには映りにくいため、見分けにくい覆面パトカーといえるでしょう。
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