4Kテレビを持っていてもNHK契約拒否できる条件
ここ数年で、家電メーカーが発売するテレビは4K対応が主流となり、5万円前後で買える4K対応モデルも登場しています。そこで、パソコンや家庭用ゲーム機用として4K対応テレビを購入し、テレビ放送は見ないで使おうと考えている人も少なくないでしょう。こうした場合、どのような条件を満たせばNHKを契約拒否できるのでしょうか。
NHK契約は拒否できるモニター使用
放送法では、NHKのテレビ放送を受信できる設備を設置した人はNHKと受信契約を結ばなくてはならないと定められています。ここで問題になるのは、「NHKのテレビ放送を受信できる設備」とはどのような状態を指すのかという点です。
ワンセグ機能搭載のスマホなど、アンテナ一体型の受信装置を除けば、テレビ放送の受信にはテレビ本体のほかに外部から放送電波を送るためのアンテナ、あるいはCATVのセットトップボックス(STB)のようにテレビへ映像信号を送り出す装置が必要です。
放送法上、NHKのテレビ放送が受信できる状態とは、テレビだけでなくアンテナやSTBなども合わせて設置されている状態を指します。つまり、アンテナやSTBなどを設置せず、テレビをパソコンやゲーム機のモニターとしてのみ使う場合は、NHKの契約を拒否できるのです。
NHKの契約を拒否できない判決が出た
とはいえ、アンテナやSTBなどを設置しない状態ではNHKの契約を拒否できても、民放テレビ局の番組も視聴できなくなります。そのため、NHKのテレビ放送の周波数だけを途中フィルターなどでカットし、物理的にNHKを受信できないようにすれば、NHKの契約を拒否しつつ民放テレビが視聴可能になるのではとも考えられます。
しかし、NHKテレビ放送のみカットするフィルターを取り付けた場合についての裁判は何度か行われ、いずれもNHKの「受信契約が必要」という主張が認められているのです。なかでも有名なものが、「イラネッチケー」と呼ばれるフィルターがあらかじめ内蔵されたテレビを購入した人がNHKと争った裁判です。
このイラネッチケー内蔵テレビは、イラネッチケー自体が基板にエポキシ樹脂で固められており、イラネッチケーを外そうとするとテレビ自体が壊れてしまう構造でした。それでも、2020年6月26日に東京高裁が出した判決は、「ブースターを取り付ければNHKのテレビ放送が映る」という理由で、NHKの主張を認めてしまったのです。
ラジオライフ編集部
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