NHKのBSメッセージがB-CASカードで消える仕組み
NHKのBS放送は、NHKに手続きをせずに見ていると、画面下側にかなり大きなメッセージが表示されるようになります。画面の1/4をBSメッセージが占める状態は、まったく番組が見られない状態よりストレスが溜まります。このBSメッセージがB-CASカード番号をNHKに知らせることで消えるのはどのような仕組みなのでしょう。

NHKのBSメッセージとB-CASカード番号
新しいテレビを購入し、一定期間が経過するとNHKのBS放送は視聴中に「受信機設置のご連絡のお願い」というメッセージが表示されるようになります。BSメッセージが表示されるまでの期間について、NHKは正式にアナウンスしていませんが、複数のCATV会社が30日前後と明らかにしています。
NHKと衛星契約で受信契約を結んでいる場合、まずBSメッセージ消去の専用サイト、または専用フリーダイヤルにテレビのB-CASカード、あるいはACASチップの番号を伝えます。その後、NHKのBSチャンネルにテレビを合わせたまま10分ほど待機すると、メッセージが消去されるのです。
それでは、NHKはどのような方法でBSメッセージをB-CASカード番号で消去しているのでしょうか。じつは、BSメッセージはNHKのBS放送で送信される情報のうち、番組の内容とは別に送信されるデータ「EMMメッセージ」に含まれています。
NHKのBSメッセージをB-CAS番号で消去
EMMメッセージには、全世帯向けに送られる「共通EMMメッセージ」と、特定のB-CAS・ACAS番号向けに送られる「個別EMMメッセージ」の2種類があり、NHKのBSメッセージは個別EMMメッセージの方で送信されています。
一方、個別EMMメッセージはB-CAS・ACAS番号とメッセージ表示の解除情報の組み合わせで送信。テレビ側では、装着されたB-CAS・ACAS番号と一致する個別EMMメッセージを受信すると、その情報をB-CASカードやACASチップに保存。この情報を参照することで、NHKのBSメッセージ表示を消去するかを判定しているのです。
NHK側はB-CASカードやACASチップの番号の連絡を受けた段階でBSメッセージ解除用の個別EMMメッセージの送信をスタート。視聴者側では、個別EMMメッセージを受信するため、テレビをNHKのBSチャンネルに合わせた状態で待機するわけです。

ラジオライフ編集部

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