無線機が破損する危険も…偽アンテナ販売の実態
Amazonで販売される第一電波工業のモービルアンテナには、実勢価格の半額以下の模倣品が出回っています。見た目と性能の違いについて、正規品と比較しながら編集部で独自調査を行いました。すると、送信すると最悪の場合、無線機を破損してしまう危険性もある粗悪品であることがわかったのです。
NR770Rの模倣品はアンテナ基部が貧弱
第一電波工業のモービルアンテナには模倣品が存在することが確認されています。Amazonで第一電波工業の「NR770R」を検索すると、「NL-770R」も表示され、実勢価格2,100円と半額以下。正規品の実勢価格は4,800円です。
模倣品のブランド名は「Easy Talk」で、パッケージは第一電波工業のスーパーゲイナーシリーズを模したデザイン。模倣品には型番のステッカーが無く、アンテナ基部が細くて貧弱です。
正規品の全長は98cmですが、模倣品は96cmとやや短く、エレメントが曲がっていました。ローディングコイルの作りが異なっていて、模倣品は飾りで電気的な工夫はなされていないと思われます。
NR770Rの正規品と模倣品でSWRを測定
NR770Rの正規品と模倣品とで、アンテナの性能を表すSWRを測定してみました。正規品は144~146MHzでは、わずか1MHz幅ですが、SWRは1.2~1.6で安定。メインチャンネルよりも低い周波数で共振していました。430~440MHzでは、SWRが2を上回ることはなく、高い周波数側で共振しており、SWRの最良値1に限りなく近い数値が計測できました。
一方、模倣品は144~146MHzでは、全域でSWRが3~5で、共振ポイントが見られません。送信すると最悪の場合、無線機を破損してしまう危険性もあるでしょう。
430~440MHzでは、SWRが全域で3以上で、送信効率は半減。10MHzの帯域内にも共振ポイントが無く、アンテナとして機能していません。
ラジオライフ編集部
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