「交番・派出所・駐在所」は何が違っているのか
全国に約6千か所も設置されている「交番」の所属は所轄の警察署の地域課となり、一般的に3交代制で2人以上の勤務が原則。そんな交番と似た名称として「派出所」があります。また、同じく地域課に属する警察施設に「駐在所」も存在。はたして、交番と派出所と駐在所は何が違うのでしょうか。
交番は以前は派出所が正式名称だった
「交番」が所属しているのは所轄警察署の地域課です。地域の犯罪予防を担っています。交番は一般的に3交代制で2人以上の勤務が原則です。そんな交番勤務の主な仕事が「一般警ら活動(パトロール)」と「巡回連絡」になります。
巡回連絡とは担当地域内の各世帯や会社を訪問して、何か変わったことはないか、新たな転入・転出はないかを情報収集する仕事です。このような一般市民と直接触れ合う機会の多い交番での仕事は、日本の警察活動の基本。警察学校を卒業した警察官のほとんどが経験する業務です。
今では交番という呼び名が定着していますが、1994年までは「派出所」が正式名称でした。現在も派出所という名称は残っていますが、通常の交番とはやや趣が異なります。空港警備派出所など、警備のための警察官の詰め所的な存在です。出張所に近い意味として使われています。
交番と駐在所は全国にほぼ同数設置
交番と同じく地域課に属する警察施設には「駐在所」もあります。交番との違いは、簡単にいえば居住スペースが設けられていること。駐在所員である警察官とその家族が住む官舎を兼ねています。
じつは交番と駐在所は、全国にほぼ同数が設置されています。2023年4月現在、全国に交番は6,239か所、駐在所は6,026か所です。交番の数が駐在所の数をやや上回っています。
駐在所は、基本的には治安のよい郊外や山間部などに設置。都市部でも治安対策の一環として、駐在所を設けるケースもあります。駐在員の配置は基本1人なので交代要員はなく、事実上の24時間体制で業務を行わなければなりません。
ただし、駐在所勤務の警察官といえども非番の休みはあり、会議などで本署に出かける機会もあります。そんなときは警官の配偶者が代理となって対応。そのための講習もあり、月額5万~10万円程度の報償費も支給されます。そんな事情からか、駐在員には既婚者の警察官が多いようです。
ラジオライフ編集部
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