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コンサートワッチはアイドルのナマ声が聞ける趣味

音を集めて電波で飛ばすワイヤレスマイクは、仕組みはいわば盗聴器と同じ。電源を切り忘れると盗聴器化してしまいます。この電波を受信して聞こえるのはエコーがかかる前のナマ声。それを聞くのが「コンサートワッチ」です。とくに、アイドルがよく使用するヘッドセットタイプは、楽屋でも電源が入れっぱなしであることが多いようです。


アイドルのナマ声が聞けるコンサートワッチとは


コンサートワッチはマイク電波を受信

マイクとスピーカーの間を電波でつなぐのが、ワイヤレスマイク。文字どおりワイヤレスなので自由に動きながらしゃべったり、歌ったりできるのがメリットです。そのメリットの裏側で、プライバシー漏洩の危険性があります。

無線機器であるワイヤレスマイクの電波は、出力が1~10mWと弱いものの、使用している建物に近づくと漏れてくる電波を受信可能。これを利用したのが「コンサートワッチ」と呼ばれるものです。

コンサートワッチは、コンサートホールで使っているワイヤレスマイクの電波を受信します。アイドルやアーティストの歌声をコンサート会場に入ることなく、コンサートワッチは電波からダイレクトに受信するのです。


コンサートワッチはかなりの臨場感

コンサートワッチで聞こえる声は“ナマ声”と呼ばれるミキサーで加工する前のもの。コンサートワッチは時には荒い息づかいが聞こえたりと、かなりの臨場感といいます。

しかも、アイドルやアーティストが舞台袖に引っ込むと、会場内のスピーカーはオフになりますが、ワイヤレスマイクは電源が入ったまま。つまり、コンサートワッチは楽屋での会話がすべて聞こえることもあるのです。

とくにヘッドセットタイプのワイヤレスマイクは装着したままにすることが多いので、楽屋での会話が筒抜けということも多々あります。さらにリハーサルからコンサートワッチで受信すれば、プライベートな会話が飛び込んでくる可能性も高くなるでしょう。


コンサートワッチがデジタル化しない理由

最近は多くの業務無線がデジタル化して通話内容が聞けなくなる中、コンサートワッチのワイヤレスマイクはアナログのまま。数少ないアナログ無線として、コンサートワッチは根強い人気のある受信ジャンルとなっています。

なぜコンサートワッチのワイヤレスマイクはデジタル化しないのでしょうか。コンサートワッチの受信対象となるワイヤレスマイクは、通信機器というよりも楽器に近い存在。音声以外にデータを乗せる必要がないため、コンサートワッチのワイヤレスマイクはデジタル化のメリットが少ないのです。

コンサートワッチのワイヤレスマイクをデジタル化するデメリットはしっかりと存在していて、ごくわずかですが音声の出力が遅延し、音質も変わってくること。繊細な感覚を持つアーティストには、これらの点でコンサートワッチのワイヤレスマイクのデジタル化が敬遠されています。

コンサートワッチのワイヤレスマイクは「今までアナログ方式で問題が無かったのだから、無理にデジタル方式を選択する必要はない」という判断になるわけです。たしかにチャンネルリストに縛られたくないテレビのロケ取材といった場面では、デジタル波の1.2GHz帯が多用しています。


コンサートワッチはまだアナログ方式

また、大企業の会議など秘匿性を必要とされる現場のワイヤレスマイクはデジタル方式が主流となりつつあります。しかし、コンサートワッチのワイヤレスマイクでは、まだまだアナログ方式がメインなのです。

また、コンサートワッチのライブ会場でアーティストが演奏などのモニターするための「イヤーモニター」は、アナログ方式しか製品化されていません。このため、もし仮にボーカルマイクがデジタル方式でも、イヤーモニターはコンサートワッチで受信機で聞くことが可能。コンサートワッチで音声や演奏の音が聞こえてきます。

制度的にもアナログ方式は存在し続けるため、コンサートワッチで飛び交う電波は当分、デジタル化で聞けなくなることはないでしょう。


コンサートワッチで受信する周波数

コンサートワッチで受信対象となる、ワイヤレスマイクの周波数帯は、一次業務として地上波テレビ放送が割当てられています。そこで地上波テレビ放送へ混信を与えずに使用できる周波数帯を、施設ごとに調査・測定して、総務省がそのチャンネルリストを公表しています。

コンサートワッチで受信するべき、施設ごとに割当てられたテレビホワイトスペースのチャンネルリストは、総務省『電波利用ホームページ』に掲載されており、誰でも自由に見ることができます。ただし、その数は日本全国で1万か所以上と膨大です。

そこでコンサートワッチで受信する周波数が効率良く閲覧できる「特定ラジオマイクホワイトスペースチャンネル検索」の使い方を紹介しましょう。市区町村単位の地域まで絞り込めるので、リストの中からコンサートワッチで受信する目的の施設を探し出せば、その施設に割当てられたワイヤレスマイクのチャンネルが判明します。

利用するのは無線局の免許情報から、周波数や使用者を調べられる「無線局等情報検索」でおなじみの総務省のWebサイト。コンサートワッチで受信する周波数を調べるには、まずは右サイドバーにある「無線局情報検索」をクリックします。


コンサートワッチで調べたい地域を検索

一覧から「3.特定ラジオマイクホワイトスペースチャンネル検索」を選ぶと、検索に関する注意事項と留意事項が出るので「同意する」をクリック。すると、検索画面が表示されます。

検索条件の種別で「アナログ」を選択して、地図上でコンサートワッチで調べたい市区町村を指定したら「検索」を押してください。選択した市区町村の「検索結果一覧」が表示されるので、コンサートワッチの目的の施設を探します。

チャンネルリストに「〇」が付いているテレビチャンネルが、コンサートワッチのワイヤレスマイクとして使える周波数です。検索結果一覧には近隣施設も表示されるので、コンサートワッチのワイヤレスマイク周波数の地域ごとの「〇」の付き方の傾向が分かるでしょう。ちなみに、東京都内のコンサートワッチのワイヤレスマイク周波数は13chと14ch、そして33~52chの割当てが多いようです。

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ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
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