デジコミの無線機が「DJ-PV1D」一択になる理由
2018年に始まった新たなライセンスフリー無線となる「デジタル小電力コミュニティ無線」は、アイコムの主導で制度化されました。割当て周波数帯は144MHz帯アマチュア無線の前後にある142MHz帯と146MHz帯で、それぞれ6.25kHzステップで9チャンネルずつ、合計18チャンネルあります。無線機はアルインコの「DJ-PV1D」一択です。
デジコミは真のライセンスフリー無線
ローバンドの142MHz帯は、人・動物検知通報システムの割当て周波数をベースとするため、デジタル小電力コミュニティ無線では、搭載GPSによる位置情報の送出が必須となっています。
出力は500mW。これは27MHz帯CB無線と同じで、特定小電力トランシーバの50倍になります。ハイパワーでありながら、特定小電力トランシーバと同様に申請などの必要はなく、即座に使用できる、真のライセンスフリー無線です。年間の電波利用料もありません。
特定小電力トランシーバを略して“特小”と呼ぶように、正式名称がやたらと長い、デジタル小電力コミュニティ無線にも略称があります。アルインコが提唱しているのが“デジコミ”です。
アルインコのデジコミが「DJ-PV1D」
特小にならって“デジ小”となってもいいところですが、特小には既にデジタル機が存在しますし、将来的にはインターリーブ化による、デジタル専用チャンネルの特小が出てく可能性を踏まえ、“デジ小”や“デジ特”を避けたといいます。
その結果、重複しない単語「コミュニティ」の2文字を使った“デジコミ”になったわけです。そんなデジコミの1号機は、2018年11月発売のアイコム「IC-DRC1」です。
これに続いたのが、2019年11月発売のアルインコの「DJ-PV1D」です。DJ-PV1DはアイコムのOEMだったのですが、そこはアルインコ。アイコムの製品には無いオリジナル機能を盛り込んできたのです。
DJ-PV1DはOEM製品でもハード面の変更
DJ-PV1Dはディスプレイには周波数の表示とバー式のSメーターを装備し、そしてIC-DRC1では99kmまでしか表示されなかった通信相手局との距離制限を解除。100km以上でも表示できるようにしています。
DJ-PV1Dはこれらのソフト変更のみならず、アンテナの変更やスピーカーの音質改善といったハード面の変更も行っています。アルインコらしい、ホビーユーザーを意識した違いを出してきたのです。
DJ-PV1D登場の1か月後、2019年12月にアイコムは「IC-DRC1MK2」へのマイナーチェンジを実施。何と、DJ-PV1Dと同じボディに変更して、スピーカーの音質向上と細部の変更を行いました。
しかし、周波数表示やバー式Sメーターは採用されておらず、99km制限も解除なし。従来機を固持してきたのはアイコムらしいところ。というわけで、デジコミをホビーユーザーが使うのであれば、DJ-PV1Dの一択になります。
ラジオライフ編集部
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