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NHKがスクランブル化に踏み切れないジレンマとは

BS放送にはWOWOWを始めとする有料番組が数多く放送中です。有料番組は、未契約の状態でチャンネルを合わせても放送内容は表示されない、いわゆるスクランブルがかかった状態です。NHK受信料の推計世帯支払率は、2022年度末で全国平均78.3%。支払率を上げるために、NHKがスクランブル化することはないのでしょうか。


NHKがスクランブル化に踏み切れないジレンマとは


NHKスクランブル化に近いBSメッセージ

NHKのBS放送では、NHKと手続きしないと画面左下にメッセージが表示される仕組みを導入中。NHKと未契約だったり地上契約のままだったりで手続きしていないと、メッセージを消すことはできません。

ただし、メッセージ消去の手続きが行えるのは、NHKと衛星契約を結んで受信料を支払っている人に限られます。NHKのメッセージ消去の手続きする場合、B-CASカード番号/ACAS番号のほかに名前や住所などともに、NHKのお客様番号が必要です。

NHKと衛星契約がないと番組がフルで楽しめないという意味では、スクランブル化にかなり近い状態といえるでしょう。しかし、NHKにはスクランブルをかけることに積極的になれないジレンマがあるのでした。

NHKの役割は放送法で「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつよい放送番組による国内基幹放送を行う」と定められています。いわゆるNHKが公共放送といわれる所以です。


NHKスクランブル化と公共放送の役割

この公共放送としてのNHKの役割を実現するため、テレビ放送を受信できる視聴者すべてがNHKと契約。NHK受信料を支払うことで運営コストを共同で負担するというのが放送法の趣旨です。

だからこそ、NHKのテレビ放送を受信できる設備を設置した人はNHKと受信契約を結ぶ必要がある旨が放送法で定められているというわけ。いわばNHK受信料支払いの根拠の根幹部分です。

ここで、NHKが受信料を払った人だけが視聴できるようにスクランブルをかけた場合、スクランブル状態では「受信できる設備」とはいえません。ここにNHKがスクランブル化に踏み切れないジレンマがあるのでした。

ちなみに「B-CAS」の仕組みを利用することで、NHKが番組にスクランブルをかけること自体は可能です。しかし、2013年にB-CASとは別に地デジに導入された「RMP」という仕組みがあり、地上波では実質的にNHKがスクランブル化を導入するのは不可能なのでした。

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ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
モノ・コトのカラクリを解明する月刊誌『ラジオライフ』は、ディープな情報を追求するアキバ系電脳マガジンです。 ■編集部ブログはこちら→https://www.sansaibooks.co.jp/category/rl

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