NHKプラスが受信料の対象になるのはいつからか?
スマホやパソコンでNHKの地上波テレビが楽しめる「NHKプラス」は、NHK受信契約の対象となっていません。そのため、画面左下に表示されるメッセージさえ気にならなければ、タダでNHKを見ることが可能です。ところが、今後はNHKプラスを受信契約対象とする方向性が、総務省の研究会により8月に示されたのです。
NHKプラスを受信料の対象にする方向性
現在、NHKはネット経由で地上波テレビ番組が視聴できる「NHKプラス」を拡充中です。いまのところ、NHKプラスはNHKのテレビ放送を「補完」する業務という位置づけとなっているため、NHK受信料の対象外となっています。
しかし、総務省の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」という会議のなかで、NHKプラスをはじめとするインターネット業務を「補完」ではなく、テレビやラジオの放送と同じ「必須業務」に格上げする議論が行われています。
「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」は、NHKプラスだけでなくテレビ中継局の再編成や中継局までの伝送をIP化するといったさまざまなテーマを議論しています。このため、NHKのインターネット業務については、分科会の「公共放送ワーキンググループ」で集中的に議論が行われてきました。
そして、公共放送ワーキンググループでは、2023年8月31日に中間とりまとめ案を公表。この案で、NHKプラスなどのインターネット事業を必須業務に格上げしたうえで、NHKプラスもNHK受信料の対象にする方向性が示されたのです。
NHKプラスの受信料は第三者機関が評価
とはいえ、スマホやパソコンなどでNHKプラスを視聴する場合、どのような端末をNHK受信契約の対象とするかは「アプリのダウンロード」「IDやパスワードの取得・入力」など数パターンを示したうえで、総務省が「視聴者にとってわかりやすい形で明確化を図っていくべき」という曖昧な書き方になっています。
また、テレビのNHK受信契約は同一世帯であれば何台テレビを所有・設置しても1契約で済むのに対し、現在のNHKプラスには一世帯につき5IDまでという利用制限があります。この制限を今後どうするかについても「引き続き検討すべき」といった表現にとどまっています。
NHKプラスの受信料についても、NHK以外の第三者機関が評価を実施して決定する仕組みとするべきといった提案を行ったのみで、金額設定までは踏み込んでいません。とはいえ、インターネット業務の必須業務への格上げには放送法改正が必要で、法案提出前に総務省は何らかの方向を示すことになります。
「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の議事録によると、総務省は2024年1月に開会する通常国会で、行われた議論にもとづく法改正案を提出する意向とのこと。今後、通常国会が閉会予定の2024年6月末まで、どのような議論が総務省や国会で行われるのか、引き続き要注目です。
ラジオライフ編集部
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