ネットの活用法や便利なアプリ、お得な買い物テクニックなど知って得する情報を毎日更新しています。

スマホからワンセグが消えた理由はNHK受信料?

かつてiPhoneを除くAndroidスマホの多くには、NHKをはじめとする地上波テレビ放送を視聴するためのワンセグ受信機能が搭載されていました。電車の車内でアンテナを伸ばし、ワンセグ付きスマホでテレビを視聴する人を見かけたことがあるでしょう。ところが、2019年からスマホのワンセグ機能は続々と市場から消えていきました。


スマホからワンセグが消えた理由はNHK受信料?


ワンセグにNHK受信料が必要という判断

2006年の地デジ放送開始後、携帯電話のワンセグ機能は各社とも必須とも呼べるものでした。スマホ時代に入っても、ワンセグ機能は多くのモデルに搭載されていましたが、2018年を境にスマホからワンセグ対応モデルが激減。現在販売中のスマホでワンセグ対応はわずか数モデルです。

スマホのワンセグ対応モデルが激減した理由としては「テレビの仕様が各国バラバラでグローバルモデルで対応しづらい」「本体外側にアンテナが必要でスマホ画面の大型化に不利」といった理由も挙げられます。

しかし、それ以上にスマホのワンセグ対応モデルの激減に大きな影響を受けたのが、ワンセグ機器にもNHK受信料が必要という判断が裁判で確定してしまったことです。

この裁判は、埼玉県在住の人がワンセグ機能付き携帯電話を所有した状態で、NHKを相手に「NHK受信契約は必要ない」と訴えたもの。このような「○○をする必要がない」という提訴は、民事裁判ではよく使われる手法でもあります。


ワンセグでNHK受信料が不要なケース

1審にあたるさいたま地裁が出した2016年8月の判決は、原告の主張を認め、ワンセグ機能付き携帯電話の所有は放送受信設備の「設置」にはあたらないとして、NHK受信契約は不要と判断しました。NHK側は、当然ながらこの判決を不服として東京高裁へ控訴します。

そして、2018年6月に出された東京高裁の判決では一転してNHK側の主張を認め、NHK受信契約が必要という判断となったのです。原告は最高裁へ上告しましたが、2019年3月に最高裁は上告を退ける決定を出したため、ワンセグ機器にもNHK受信契約が必要という高裁判決が確定しました。

各スマホメーカーがワンセグ機能を削り始めたのは2018年秋モデルから。この時期は、ワンセグ機器を巡る東京高裁や最高裁の判断が出た時期と重なるため、東京高裁判決がNHK受信契約が必要と認めたこととスマホのワンセグ対応モデル激減の関係は高いといえるでしょう。

ちなみに、自宅でNHK受信契約を結んでいる場合、スマホのワンセグ対応モデルを所有していても追加のNHK受信料は不要。スマホのワンセグ対応モデルは自宅に設置した扱いとなり、家に何台もテレビを所有するのと同様にNHK受信契約は1契約で済むのです。

The following two tabs change content below.

ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
モノ・コトのカラクリを解明する月刊誌『ラジオライフ』は、ディープな情報を追求するアキバ系電脳マガジンです。 ■編集部ブログはこちら→https://www.sansaibooks.co.jp/category/rl

この記事にコメントする

あわせて読みたい記事

関連する記事は見当たりません。