NHKは「電波が悪い」と断れば受信契約は不要?
NHK受信契約は法律上、テレビ放送を受信可能な設備を持っていれば契約の義務が発生することになります。しかし、テレビとアンテナをセットで持っていたとしても、離島や山間部などNHKが送る電波を受信できない地域では当然、NHKのテレビ放送を見ることができません。はたして「電波が悪い」という理由で、NHK受信契約は断ることはできるのでしょうか。
NHKの電波が悪いといって契約を断る
NHKが民放と大きく異なる点に、放送法で「あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送」を行うことが義務付けられていることがあります。かつてNHKの中継局のみ設置され、民放各局は映らないという地域が数多く存在していました。
しかし、地デジの普及にあわせてNHKと民放が共同で中継局を設置するケースが増え、NHKだけしか映らないという地域は基本的に消滅。とはいえ、地上波テレビ放送の電波がまった届かない地域は残っており、そうした地域に住む人はBSアンテナを設置しない限り、NHKと受信契約を結ぶ必要はありません。
しかし、「NHKの電波が悪い」という理由でNHK受信契約を確実に断れるかというと、必ずしもそうとは限りません。じつは、ワンセグ付きカーナビのNHK受信契約で争った裁判で、視聴者側は「NHKの電波は届かないし見られない」と争ったものの認定されなかったケースがあるからです。
NHKの電波が悪くても移動で受信可能
視聴者側が「NHKは映らないし見られない」と争った事情は2つあり、ひとつは「自宅の駐車場ではテレビ放送が受信できない」、もうひとつが「運転中はカーナビにテレビ画面が映らない」というものでした。純正カーナビの場合、走行中はカーナビのテレビ画面は非表示になるため、そこを争点としたわけです。
しかし、東京地裁が2019年5月に出した判決では、電波の届く場所に移動して停止してシフトを「P」レンジに移動すればテレビ放送が受信可能なため、NHK受信契約を結ぶ必要があるという判断でした。
ちなみに、NHKの地上波放送が受信できないもののBS放送は視聴したいという人向けに、NHK受信契約には「特別契約」を用意。特別契約を結ぶ場合、NHKが派遣するスタッフによる受信状況の確認が必要で、地上波の受信が不可能とわかれば特別契約を結ぶことが可能です。
ラジオライフ編集部
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