NHK受信料はこっそり引越しすると解約できる?
NHK受信料は電気料金、ガス料金などと合わせて「公共料金」とみなされることがあります。実際、公共放送であるNHKに支払う受信料はある意味、公共料金に近いものですが、じつは電気料金・ガス料金と違うことがあります。引越しをする際には解約して再契約するのではなく、NHKへ住所移転の手続きが必要という仕組みなのです。
NHK受信料は引越し後も支払いが継続
NHKのWebサイト内には「受信料の窓口」というコーナーがあり、新規に受信契約を結ぶほか、契約種別の変更、住所変更などの手続きが行えます。これらの手続きは郵送でも可能ですが、地元のNHK地方放送局から必要書類を入手する必要があるため手間がかかります。
転居をする際には、NHK受信契約だけでなく電力・ガス・水道といった公共料金の手続きが必要ですが、NHK受信契約以外はいったん元の契約を解約したうえで、転居先で再契約を結ぶことになります。ところが、NHKの場合は契約はそのままで住所変更の手続きを行う仕組みです。
つまり、NHK受信契約は原則として転居を理由に解約することはできません。とはいえ、NHKに無届けで転居した場合、郵便局に転送届を出さないかぎりNHK受信料の支払い用紙は一旦は届かなくなるため、NHK受信料の支払いから逃れられると勘違いする人も少なくありません。
しかし、じつはNHKに無届けで転居し受信料を支払わない状態を続けることは危険。まずNHKに届け出るかどうかにかかわらず、転居後もNHK受信契約が継続するため、受信料の支払いが必要なことに変わりありません。そのため、用紙が届かずにNHK受信料を支払わなかった期間は滞納扱いとなります。
NHK受信料を引越して解約は不可能
さらに、滞納分が残る状態では、NHK側は「債権者」、視聴者側は「債務者」となるため、NHKはもともと住んでいた住所がある市区町村に住民票を移したことを証明する「除票」のコピーを請求できるのです。
住民票に関する法律である住民基本台帳法では、住民票やその除票のコピーを第三者へ交付することを厳しく制限しています。しかし、債権者が債務者へ支払いを求める場合については「自己の権利を行使し、または自己の義務の履行を求める」ケースにあたるとして、例外的にコピーの交付を認めているのです。
転居で住民票を移した場合、住民票の除票には転居先の住所が記載されているため、NHKがこれを入手することで転居先へ未払い受信料の請求ができるようになります。さらに、未払い受信料は3期を超えるごとに2%の延滞利息がかかるため、その分もまとめて請求されることになるのです。
なお、住民票の除票は5年で廃棄されるためNHKから5年間逃げ切れれば大丈夫…と思っている人もいるかもしれません。じつはこれは古い知識で、かつては除票の保存期限は5年間という規定でしたが、2018年6月20日から保存期限が150年間に延長されたため、NHK受信料は内緒で引越して解約することは不可能といえるでしょう。
ラジオライフ編集部
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