NHKが受信料裁判で敗訴した数少ない事例とは?
NHKとテレビ視聴者がNHK受信料に関して裁判で争ったケースでは、ほとんどがNHK側の勝訴で終わっています。しかし、数少ないながらもNHKが受信料裁判で敗訴したケースもあり、そのひとつが静岡県のホテルとNHKが争ったものです。なぜNHK側が受信料に関する裁判で負けるような事態がおきたのかを見ていきましょう。

NHKが受信料裁判で衛星契約分を求めた
この裁判は、静岡県内でホテル2軒を経営する会社とNHKの間で争われたもので、ホテル側が結ぶべきNHK受信契約が衛星契約か地上契約かが争点でした。裁判に訴えた側(原告)はNHKで、ホテル会社が客室などに設置した95台のテレビについて、2017年11月~2018年5月までの衛星契約分の受信料の支払いを求めました。
一方、ホテル会社側は2017年11月にBSアンテナを設置していたことは認めたものの、その月のうちにこのアンテナを撤去したため、衛星契約を結ぶ必要はないと主張。さらに、2018年5月にはNHKの地上波テレビが受信できないようにする工事も行ったため、同月以降は地上契約も不要であると主張しました。
じつは、この当時のNHK受信契約には現在のように契約月のNHK受信料が無料になる制度がありませんでした。ただし、衛星契約から地上契約に変更する場合、変更月から地上契約の料金になるという規定はあり、この点は現在も同じ規定です。
NHK受信料は裁判で地上契約分との判決
第一審となる東京地裁の判決では、BSアンテナの撤去時期についてはホテル側の主張通り2017年11月と認定。しかし、2018年5月にNHKの地上波を受信できないようにする工事を行ったので地上契約も不要というホテル側の主張は認められませんでした。
その上で、東京地裁の判決でホテル側に命じたNHK受信料の支払い金額は2018年5月の地上契約分にあたる約12万円にとどまりました。これは、裁判でNHK側は2017年11月~2018年4月については衛星契約の受信料の支払いのみを求めており、この期間の地上契約については裁判の対象外となっていたためです。
一方、2018年5月分のNHK受信契約については、ホテル側がNHKの地上波テレビが受信できない工事を行ったと争ったため、NHK側が「予備的請求」として地上契約分の受信料の請求を行っていました。東京高裁の判決では、NHK側の主張のうちこの予備的請求が認められ、辛うじて完全敗訴を免れた形となります。
その後、NHKは控訴を行い引き続き2017年11月~2018年5月までの衛星契約分の受信料支払いを求めましたが、東京高裁は2019年4月の判決でNHKの控訴を棄却。さらに、NHKは最高裁へ上告したものの不受理となり東京高裁の判決が確定しています。

ラジオライフ編集部

最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- 交通機動隊と高速道路交通警察隊の任務の違いは? - 2025年4月4日
- NHKのBSメッセージがB-CASカードで消える仕組み - 2025年4月4日
- 写真保管庫も付いているウイルス対策アプリとは - 2025年4月3日
- 交通違反で支払うお金は「反則金」だけじゃない - 2025年4月3日
- BSアンテナが見える場合のNHK受信料の断り方 - 2025年4月3日