テレビ音声だけ楽しむ場合もNHK受信料は必要か
テレビ番組の音声だけを聞くケースとしては、運転中のカーナビがまず挙げられます。これは、純正カーナビでは安全運転のため走行中は画面表示がオフになるためで、事実上ラジオと同じ楽しみ方しかできません。こうした場合を含めて、テレビは音声だけ聞いていてもNHK受信料が必要になるのでしょうか。
テレビ音声だけでもNHK受信料は必要
テレビがアナログ放送の時代は、テレビ音声受信機能付きのラジオが各社から発売されていました。VHF帯の1~12チャンネルについては一般的なラジオでも受信可能なモデルが数多く販売されていたのです。
さらに、FM・AMラジオと合わせ地デジのワンセグ放送の音声のみ受信する「地デラジ」という商品も一時期販売されていたこともありました。地デラジは、緊急警報放送に対応しており、電源オフの状態でも緊急警報放送を受信すると自動的に電源が入るため、災害に備える意味でも便利なラジオでした。
しかし、これらの商品を所有している場合、ほかにテレビなどを持たない世帯であってもNHK受信料が必要となるのです。というのも、放送法ではNHK受信契約が不要とされるラジオ放送について「音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう」と規定しているためです。
アナログテレビ音声はNHK受信料不要
テレビ音声受信機能付きのラジオがアナログ放送時代に問題にならなかった理由は、当時NHKがポータブル機器について積極的に受信契約を取り付けようとしていなかった点にあります。しかし、現在は事情が変わり、NHKが受信契約を取り付けにくる可能性が高くなっているのです。
というのも、ワンセグ受信機能付き携帯電話について受信契約が必要かどうかが裁判で争われ、2019年3月に必要という判決が確定しています。この裁判は、視聴者側から「NHK受信契約が不要」なことを確認するという形で争われましたが、結果的にポータブル機器にもNHKが受信契約を求める根拠ができてしまいました。
なお、現在アナログテレビ放送の受信に対応しているラジオを所有している場合は、ほかにテレビなどが自宅になければNHK受信料は必要はありません。というのも、アナログテレビ放送自体がサービスを終了しているからです。
ラジオライフ編集部
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