TWRは着陸しない航空機も侵入・離脱を許可する
飛行場管制席と呼ばれるTWR(タワー)の管制業務は、離着陸の許可だけではありません。空港の規模が小さくなって管制席が省略される場合に、TWRは他の管制席の業務を代行します。GND(地上管制席)のない空港では、CLR(管制承認伝達席)の代わりにTWRが管制承認を伝達。誘導路での地上滑走の許可もTWRが出しているのです。
TWRと交信して許可を得て管制圏に侵入
このほか、TWRにはさらに重要な管制業務があります。空港には管制圏という空域が設定されており、その範囲は空港を中心とした半径5マイル、高度3,000フィートの円柱状(空港によって微妙に異なる)。ここに進入してくるすべての航空機を管制するのです。
都市部の大空港ほど管制圏に入って来る航空機は多く、主にヘリコプターなどの小型機です。滑走路の近くを横切るような飛行はしませんが、5マイルは約8kmなので、東京国際空港では東京都の品川区や大田区はもちろん、神奈川県川崎市までが管制圏になります。
都市部ではマスコミの報道ヘリ、警察ヘリや消防ヘリといった官公庁の機体が頻繁に飛行しているので、管制圏を通達する際には必ずTWRと交信して、許可を得てから進入します。
TWRがヘリコプターの着陸や離陸の許可
なお、管制圏の外側は進入管制区として別の管制席が管制。管制圏へ進入する際には「リクエスト エンタリングコントロールゾーン(管制圏への進入を要求します)」となります。
また、管制圏を横切る場合は「リクエスト クロス ユア コントロールゾーン サウス トゥ ノース(管制圏を南から北へ横断飛行を要求します)」と交信。管制圏内にあるヘリポートを離着陸するヘリコプターも空港のTWRの管制を受けることになります。
地方空港でもドクターヘリの進入があり、防災訓練の際には、陸上自衛隊のヘリが進入を要求してくることもあるのです。また、防災ヘリなど、その空港に配備されているヘリコプターは、着陸や離陸の許可もTWRから受けます。
ラジオライフ編集部
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