コードレスホンは意外に高度な無線システムな件
コードレスホンは「もしもし」「はいはい」の同時通話を行うために、親機側と子機側で異なる2つの周波数帯を使用します。無線用語ではこれを「複信式」と呼んでいます。多くの無線通信でおなじみの「了解」「どうぞ」で交互に通話するのは、1つの周波数を使った「単信式」です。コードレスホンの無線システムを見ていきます。
コードレスホンはMCA方式を採用した
コードレスホンは、近隣で多数のユーザーが同時に使った場合でも、別の家のコードレスホンにアクセスしたり、同じ周波数で混信が起きたりしないシステムを採用しています。
コードレスホンの無線システムは、電話機1台ごとに周波数を割当てるのではなく、すべての通話チャンネルをコードレスホンのユーザー全員で共有し、通話時はその時点で空いているチャンネルを自動的に選択する「MCA(エムシーエー)」方式です。
MCAはMulti Channel Access(マルチチャンネルアクセス)の頭文字を取ったものです。デジタル無線ではMCA方式を採用する無線システムは多く存在。コードレスホンはアナログ無線でありながら、高度な無線システムで成り立っています。
コードレスホンは89個のチャンネル
コードレスホンの親機側の送信周波数は、380.2125~381.3125MHzの12.5kHzステップで、子機側の送信周波数は親機側よりも126.350MHz低い、253.8625~254.9625MHzに割当て。親機と子機でペアになる89個のチャンネルがあります。
電話が着信、もしくは通話を始めようとすると、コードレスホンの親機がその時点で空いているチャンネルを瞬時に見つけ出し、制御チャンネルで受信待機している子機に、見つけた空きチャンネルに移る信号(ビャラビャラというデータ音)を親機側の周波数で発します。
ちなみに、コードレスホンの多くは制御チャンネルに89chを使用していますが、46chを使うものや、それ以外を使う機種もあります。指定された通話チャンネルで親機と子機がつながって会話が始まると、電話が終わるまでチャンネルが変わることはありません。(文/大伴俊夫)
ラジオライフ編集部
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