やわやわ~は国鉄時代から受け継がれた無線用語
鉄道無線には、運行を司る運輸指令所と走行中の列車を結ぶ「列車無線」のほか、乗務員同士や駅の連絡に使われる「乗務員無線」、入換作業で用いられる「構内入換無線」、駅員同士の情報共有で使用される「駅員連絡用無線」などがあります。駅での増結作業が聞こえる構内入換無線について詳しく見ていきましょう。
やわやわ~と構内入換無線で指示する
駅や操車場などで、入れ換えや連結作業の連絡に使われるのが「構内入換無線」です。JRでは、365MHz帯に12波の割当てがある専用波を使用するほか、Cタイプを使う場合もあります。
私鉄では、大手私鉄はJRと共通の365MHz帯専用波以外に特定小電力無線やデジタル簡易無線を、中小私鉄では列車無線と兼用する路線もあります。
365MHz帯専用波やCタイプの出力は1W。列車無線では線路から多少離れた場所でも基地局の電波をキャッチできるのに対し、構内入換無線はハンディ機での運用なので、作業現場周辺でないと受信できません。入れ換え作業を見ながら受信することになるのです。
駅員「土浦駅より434M運転士、3m手前で一旦停止。その後連結です。どうぞ」
運転士「了解しました」
駅員「では連結開始。前オーライ、前オーライ。プー、プー、プー、プー。前オーライ。やわやわ~、止まれ~止まれ~」
駅員「連結します。ちょい前、ちょい前。ちょい前~。止まれ~止まれ~。連結オーライ」
やわやわ~とはゆっくり運転せよの意
常磐線の土浦駅では、普通列車の増結時に構内入換無線が使われ、駅員が増結車の運転士に指示を出しています。通話の途中にある「プー、プー」とは、「進んでよし」という意味の電子音。入れ換え作業は数百m先に車両を動かすこともあり、その間指示を出す操車係が「オーライ」と言い続けるのも大変です。
そこで、無線機に「プー」という電子音を送信する機能を組み込んでおき、操車係の負担を軽減させているわけです。ちなみに、緊急停止を求める時には「ピー」という音が送信されます。
また、「やわやわ~」は「ゆっくり運転せよ」という意味。「柔らかく操作せよ」が由来といわれる、国鉄時代から脈々と受け継がれた連結作業で使われる無線用語です。(文/おだQ司令)
ラジオライフ編集部
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