ブルーインパルスのスモークが右寄りに出る理由
航空自衛隊の練習機「T-4」が愛知県犬山市の入鹿池に墜落した事故は記憶に新しいところ。このT-4を使用してアクロバット飛行を行っているのが「ブルーインパルス」です。ブルーインパルスによるアクロバット飛行は、青空に白いスモークでハートを描くなど、ショー的な要素が盛り込まれているため一般の人にも大人気です。

ブルーインパルスでスモークの合図
ブルーインパルスが行うアクロバット飛行の演技は「課目」と呼ばれ、課目にはすべてに名前が付いています。ネーミングの基本は「隊形の名称+空中機動の名称」という構成です。
空中機動とはターンやループ、ロールといった航空機の動きのこと。ターンは左右に曲がる水平旋回のこと、ループは宙返りのことです。垂直面に円を描くようにして、上昇から降下していきます。
ロールはクルクル回転することですが、回り方によってパターンが2種類存在。1つは航空機が単独で行い、機体を中心に翼を右や左にクルクル回転させる「エルロンロール」です。
ブルーインパルスのスモークは右側
もう1つは編隊で行う「バレルロール」。原油の単位にも使われるバレルは「樽」のことで、編隊が樽の内側をらせん状に大きく回るように飛行します。ブルーインパルスの編隊長が「デルタロール、レッゴー」と合図をしたら、デルタ隊形でバレルロールを行う課目に突入するということです。
ブルーインパルスのパイロット間の交信では、スモークを描く形状のネーミングも飛び交います。垂直面に描いたハートに矢を射る「バーティカルキューピッド」や、星を描く「スタークロス」などが有名です。
じつはスモークの発煙装置はブルーインパルス独自の装備。右排気ノズルの直後にスピンドルオイル(機械油)の噴出ノズルが付いており、ここから出たオイルがエンジンの排気で白煙になって航跡ができるのです。このため、ブルーインパルスのスモークは中央ではなく右寄りになるのでした。

ラジオライフ編集部

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