カーシェアの駐車違反は警察に出頭しないと損?
車を持たず鉄道やバスの路線が充実している都会では、駐車場代が高い一方で、クルマなしでも移動はさほど難しくありません。そこで、マイカーを持たずに荷物が多いときだけカーシェアを利用するという人も増えています。しかし、カーシェアを使うときにはマイカーと違い、注意しなくてはならない交通違反があるのです。
カーシェアの駐車違反にも放置違反金
交通違反の取り締まりは、基本的に所有者で区別して行うことはありません。カーシェアであっても、交通違反で取り締まられれば青切符や赤切符を切られ、その後の手続きもマイカーと同じです。ただし、駐停車違反・駐車違反については例外で、マイカーとカーシェアでは扱いが異なるのです。
駐停車違反と駐車違反に関しては「放置違反金」という独自の制度があります。これは、駐停車違反・駐車違反のうちドライバーが自動車から離れているケースについて、ドライバーではなく自動車の所有者に対して「放置違反金」を課すことで済ませてしまおうという制度です。
放置違反金は、2006年に駐車違反の取り締まりに民間業者委託が導入されるタイミングでスタート。それまでの駐車違反と異なり、取り締まられたドライバーは警察に出頭する必要はなく、自動車の所有者へ郵送される納付書で放置違反金を支払えば手続きは完了します。違反点数も付きません。
支払う放置違反金は、普通車では駐停車違反が1万8000円、駐車違反が1万5000円と、青切符を切られた際に納付する反則金と同額です。2022年の統計によると、青切符で取り締まられた駐停車違反・駐車違反が約16万件に対し、放置違反金の納付命令は約70万件と4倍以上となっています。
カーシェアの駐車違反は警察署へ出頭
マイカーのドライバーであれば、放置違反金は「所有者」として納付すれば済むうえに違反点数も付かず、ある意味ありがたい制度。ところが、カーシェアの場合は自動車の所有者はカーシェア会社。ドライバーが放置違反金を納付して終了というわけにはいきません。
放置違反金で取り締まられた場合、仕組み上そのままにしておくとカーシェア会社へ納付書が届いていまいます。「カーシェア会社に放置違反金を預け、代わりに支払ってもらえば?」と考える人もいるかもしれませんが、この方法を許してしまうとカーシェア会社のデメリットが大なのです。
というのも、放置違反金は支払いを繰り返すと、都道府県公安委員会からその自動車の走行を一定期間禁止する「使用制限命令」が出てしまいます。カーシェアであれば、使用制限命令が出た自動車はその期間の貸し出しができず、結果としてカーシェア会社には大きな損失です。
そのため、カーシェアの貸渡約款には例外なく「違法駐車で取り締まれた場合、警察署へ出頭して反則金を支払うこと」といった内容を記載。守らないと2万5000円や3万円といった駐車違反違約金が請求されるだけでなく、会員資格を失う場合もあるのです。
ラジオライフ編集部
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