水上警察と海上保安庁の管轄はどう違っている?
犯罪が起きる場所は陸上だけでなく、船やボートの上という場合もあります。水上での治安活動を任務とするのが「水上警察」です。水上警察の任務は、密漁などの漁業関連法違反の取り締まり、水難事故の救助や転落などにおける被害者の捜索、密輸事件の捜査など。海の安全を守る海上保安庁と水上警察では、管轄はどう違うのでしょう。
水上業務専門の部隊「水上警察隊」
現在、水上警察署を設けているのは、神奈川県警横浜水上警察署、大阪府警大阪水上警察署、兵庫県警神戸水上警察署の3署のみ。かつて存在した警視庁の東京水上警察署は、2008年に東京湾岸署の水上安全課になりました。
また、本部の地域部や生活安全部に所属する水上業務専門の部隊「水上警察隊」は、福島県警、千葉県警、福井県警、三重県警、滋賀県警、兵庫県警、和歌山県警、香川県警、宮崎県警にもあります。所属は地域部や生活安全部です。
海上の治安活動といえば、海上保安庁と海上自衛隊です。海上自衛隊は防衛省の管轄で、逮捕権がありません。対して、海上保安庁は国土交通省の外局で、海難者の救助や航行の安全管理に加え、逮捕権も持っています。
水上警察と海上保安庁の大きな違い
海上保安庁の組織と水上警察との大きな違いは管轄です。一般的には河川は警察、港外は海上保安庁、港内は両者が協議して担当を決めますが、警察になることが多いとされています。
海上保安庁は日本の領海のみならず、排他的水域を超えた公海でも活動が可能。しかし、水上警察は領海のみに限定され、実際の主だった活動は河川や港湾や内海といった狭い範囲です。しかも、日本は地方警察制を採用しているため、都道府県の管轄を越えた業務は、原則として行えません。
一方で、水上警察は港湾の回りなど地上の管轄地域も持つことが多く、他の部署や捜査員との連携が可能です。そうして、殺人事件や暴力団がらみの密輸事件などを警察の組織力や捜査力で解決しているわけです。
ラジオライフ編集部
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