オービスが光っても速度違反が無罪になった事例
走行する自動車のスピードを自動で測定、スピード違反車を発見した際にはカメラで自動で写真撮影して取り締まる「自動速度取締装置」は、通称・オービスと呼ばれています。高い精度でスピード違反を取り締まっていると考えられているオービスですが、ごくまれにまったく身に覚えのないスピード違反を取り締まるケースがあります。
オービス裁判は警察側の主張を認める
高速道路や幹線道路に設置されている「オービス」は、通過する自動車のスピードを無人で測定。速度違反車を発見すると、ストロボを利用して正面から撮影し、後日撮影したナンバープレート情報をもとに違反ドライバーを呼び出して違反切符を切る…という流れで進む取り締まりです。
警察やオービス製造メーカー側の説明では、オービスによるスピード測定は実際の速度より低くなるように設定。間違えて速度違反を取り締まらない仕組みになっているとのことです。実際、オービスの取り締まりを巡り争った裁判では、ほとんどが警察側の主張が認められています。
しかし、警察のオービスによる取り締まりが完璧とはいえないことも事実。過去にオービスによる取り締まりで無罪判決が出たこともあるのです。2019年11月に福岡高裁が出した無罪判決がもっとも近い事例で、福岡地裁が罰金5万円を命じた有罪判決をくつがえすものでした。
オービス裁判で画像が不鮮明で無罪
この裁判は、オービスで取り締まられたドライバー側が「撮影された画像は自分ではなく友人である」つまり人違いであると主張したものでした。福岡高裁の判決によれば、オービスで撮影された画像が不鮮明で、福岡県警が行った画像鑑定は本人を特定できるほど精度が高いとはいえないというものでした。
また、オービスが撮影した写真と被告人の友人との比較についても行われました。こちらは、警察庁の科警研がさらに画質が悪い写真で鑑定を実施。そのため、判決では友人が速度違反車を運転していたかどうかも判別できないという結論になったのです。
福岡高裁の判決について、検察官側は上告を断念し、起訴されたドライバーの無罪が確定しました。すなわち、オービスによる速度違反の取り締まりは無罪になることもあるのでした。
ラジオライフ編集部
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