NHK受信料の値下げを2023年度からとする理由
衛星契約では年2万円を超えるNHK受信料は、たびたび「高すぎるのでは」という批判を受けてきました。そこで、NHKも2023年度からの受信料値下げを公表し、そのために用意する金額も明らかになっています。とはいえ、具体的にどのようなNHK受信料の値下げ方法になるかは不透明な部分が多く、政府からもその点に対する意見が付いている状態です。
NHK受信料値下げは単純計算で1560円
2023年度に行うとNHKが発表した受信料の値下げは、政府側から続いていたNHK受信料値下げ圧力に対し、NHKが渋々応じている側面が大きいともいわれています。とはいえ、NHK受信料値下げはNHK自身が2021~2023年度の経営計画のなかに明記しているため、実施される可能性が高いものです。
そのNHK経営計画によると、NHK受信料値下げを2023年度からとする理由は、同年度にNHKがBS放送を1チャンネル減らす時期にあたるためとのこと。減らすチャンネルについては、フルハイビジョン放送1チャンネルの予定ですが、どのような番組編成により減らすかは明らかにされていません。
また、NHK経営計画には2023年度に行われるNHK受信料の値下げのため、700億円を原資として確保すると明記されています。この金額を2021年末のNHK受信契約数で単純に割ると、1契約あたり1年で約1560円分となり、地上契約の年1万3650円(口座振替・クレジットカード12ヶ月前払い)の1割を超えるNHK受信料値下げとなることになります。
NHK受信料値下げは衛星契約を優先?
一方で、NHK経営計画には700億円の支出削減を行いつつも、150億円を追加投資すると書かれているため、毎年のNHK受信料値下げにあてられる部分は550億円にすぎないとも読めます。ただし、NHKはこれまで「繰越剰余金」として約1480億円を積み立てているため、この一部をNHK受信料値下げにあてることは可能です。
また、700億円の値下げがNHK受信契約1件ごとに均等配分されるかどうかもいまのところ不明です。NHK会長は、記者会見などの場で「衛星契約の値下げを優先する」といった内容の発言を何度も行っているため、衛星契約のNHK受信料値下げ幅が大きく、地上契約のNHK受信料値下げはそれより少ないとなる可能性は十分あります。
このように、2023年度からのNHK受信料値下げには不透明な部分が多い状態です。そのため、1月に総務大臣へ提出された2022年度のNHK予算に対し、総務大臣は「2023年度からのNHK受信料値下げに対して明確にするように」との意見を発表。ちなみに、NHKの2022年度予算には、2023年度のNHK受信料値下げについて書かれていません。
なお、NHK予算については、毎年度が始まる直前に開催される通常国会で、2~3月に審議が行われるのが恒例となっています。NHK会長が国会答弁に立つことから、国会でNHK予算審議が行われる総務委員会の模様はNHKでも録画中継が行われるため要チェックです。
ラジオライフ編集部
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