アルインコの特定小電力トランシーバは多機能機
最も手軽に無線交信が楽しめる「特定小電力トランシーバ」は、売れ筋ジャンルだけに各メーカーからさまざまな機種が発売されています。そんな中、マニアが注目してるのがアルインコ製の特定小電力トランシーバです。そして、アルインコの特定小電力トランシーバを象徴するのが多機能機の存在でしょう。
特定小電力トランシーバに中継器機能
アルインコの特定小電力トランシーバの特徴は、多機能機の存在。単信式と中継式はもちろんですが、中継器機能を搭載した機種です。中継器機能とは、特定小電力トランシーバ自体がそのまま中継装置(レピータ)になることです。
多機能機の元祖「DJ-R20D」(2001年発売)は、特小マニアが伝説の名機と呼ぶほどの高い評価を受けました。アマチュア無線ではハードルの高いレピータ開設が簡単にできて、さらに乾電池で動作します。
DJ-R20Dは防水ケースに納めて私設の野外レピータという使い方が可能で、そこに多くの特小マニアが飛び付いて支持を集めていったのです。
特定小電力トランシーバに同時通話
アルインコの多機能機には、連結レピータ機能もあります。専用ケーブルでつないだ2台1組の多機能機を、1組以上用意して配置。これにより、1台の多機能機で中継するよりも、レピータが数珠つなぎになって、さらに交信範囲の拡大が可能になるのです。山岳地帯に複数組を設置して、「太平洋と日本海を特小でつなごう!」などという実験もありました。
もう1つ、多機能機で注目すべき機能が同時通話。2つの電波を使うことで、電話と同じ感覚で会話ができる機能です。建設現場のクレーン操縦者には必須で、業務向けの価格で提供されるものが、特小マニアにも手が届く価格だったサービス精神は特筆ものです。
アルインコの多機能機のDNAは、DJ-R20D(2001年発売)からDJ-R100D(2004年発売)、そしてDJ-R200D(2016年発売)と受け継がれています。送受信の性能も多機能ならではの高性能ぶり。アルインコが特定小電力トランシーバの遊びの幅を広げたのです。
ラジオライフ編集部
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