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NHKがサッカーW杯を大々的にネット配信しない事情

11月20日に開幕したサッカー・ワールドカップカタール大会は、日本代表が大番狂わせでドイツ代表に勝利したことで、大きな盛り上がりを見せています。テレビ局のなかで、サッカーW杯でもっとも多くの試合を生中継するのがNHKですが、これまでの大会と異なりネット配信はさほど充実していません。


NHKがサッカーW杯を大々的にネット配信しない事情


NHKのW杯ネット配信はNHK生中継試合

NHKは、2022年11月20日(日本時間では21日)に開幕したサッカーの世界大会・FIFAワールドカップカタール2022(カタール大会)について、同社のネット配信サイト「NHKプラス」で一部試合をライブ配信中です。NHKプラスで配信されるのは、NHKが総合テレビ・BS4Kで中継する全21試合で、NHKが生中継しない残り43試合は対象外となっています。

NHKの場合、オリンピックに関しては2021年に行われた東京大会、2022年の北京大会では、NHKがテレビ中継しなかった競技・種目の映像については、NHKの公式サイトがネット配信していました。しかし、現在開催中のカタール大会については、ネット配信はNHK生中継分限定になってしまったのです。

NHKプラスが全試合の配信を行えない理由は、カタール大会ではテレビ局だけでなくネット配信サイト「Abema」が放映権を所有しているためです。FIFAワールドカップの放映権は、2002年以降2018年大会までNHKに加え全民放局が参加するジャパンコンソーシアム(JC)が全64試合の放映権を獲得し、共同制作を行ってきました。


NHKのW杯ネット配信と放映権料の関係

ところが、2022年のカタール大会に関しては放映権の高騰から日本テレビ・TBSなどが放映を断念し、JCの枠組みが崩れてしまいました。そこに登場したのがAbemaで、結果としてカタール大会ではNHKとフジテレビ・テレビ朝日・Abemaが放映権を獲得することになったのです。

Abemaはカタール大会の全64試合を無料生中継するほか、デイリーハイライトや各種特別番組をラインアップ。さらに、月960円を支払ってプレミアム会員になることで、中継を含む全番組が見逃し視聴できます。一方、NHKプラスは生配信のみで、デイリーハイライトを含め追いかけ視聴はできません。

NHKプラスでカタール大会の報道を追いかけ視聴すると、試合映像がふんだんに使われていることから、NHKもネット配信分の放映権料をある程度支払っているはず。しかし、ネット配信についてはAbemaが放映権料のほとんどを負担したことが、配信スタイルの違いに現れていると考えられます。

なお、民放各局共通の見逃し配信サイト「TVer」では、カタール大会の中継や関連番組の配信は行われていません。このような事情から、カタール大会をフルで楽しむためには月960円を支払いAbemaのプレミアム会員になった方がよいといえるでしょう。

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ラジオライフ編集部

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