NHK受信料免除の対象が10月1日に拡大される理由

NHKは2023年10月から学生向けの受信料免除範囲を拡大する計画で、その改正素案のパブリックコメントを募集していました。意見募集を踏まえてNHK経営委員会は、放送受信料免除基準の変更案を議決。総務大臣に認可申請を行いました。いまNHKが受信料免除を拡大する理由はどこにあるのでしょうか。

NHK受信料免除基準の変更案を申請

NHK受信料には、もともと免除制度があります。なかでも、両親などと離れて暮らす学生については幅広い免除制度が導入されており、現在でも奨学金給付や授業料免除を受ける、あるいは両親が市町村民税非課税や公的扶助を受けている場合はNHK受信料が全額免除です。

そして、今回のNHK受信料免除基準の変更案は、親元などから離れて暮らす学生のうち、「社会保険制度において被扶養者となっている学生」や「被扶養者となっている学生と同等の収入水準にある学生」についても、受信料の全額免除の対象に加えるために規定を変更するものです。

具体的には、受信料全額免除対象となる学生として新たに「年収130万円以下」であることや「国民年金の学生納付特例対象」であることのほか、「国民健康保険の就学特例対象」であることが追加されました。

なお、NHK受信料免除の手続きは、契約者からの申請が必要となるのはこれまで通り。すなわち、NHK受信料免除を受けるためには、一旦NHKと受信契約を結んだうえで受信料免除申請を行う必要があるのです。

今回の学生を対象とするNHK受信料免除の拡大について、NHKは2023年1月に修正したNHK経営計画（2021～2023年度）において、構造改革や経営努力の成果を視聴者へ還元するための受信料値下げと合わせて実施するものとしています。

ちなみに、NHKは学生を対象とする免除の拡大により、現在の契約者のうち、新たに全額免除となる件数は約19万件を見込んでいます。また、受信料収入は年間約20億円ほど減少するとの見込みです。

ラジオライフ編集部：三才ブックス

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