軍用機も民間機も受ける無線「航空路管制」とは
空港を離陸して出域管制(DEP)を受けて上昇した航空機は、進入管制区を抜けると「航空路管制」へとバトンタッチします。ここから航空路管制を受けながら、事前に承認された巡航高度まで上昇を続け、航空路に沿って目的地の空港へと飛行。空港に近づくと降下を始め、進入管制区に入ると空港の進入管制(APP)に引き継がれます。

航空路管制は上昇や降下の指示が中心
航空路管制での交信は、上昇や降下の指示が中心です。航空路では雲を避けたり、気流を原因とする揺れを軽減するために、飛行高度を変更するといったリクエストがパイロットから出ますが、頻繁に交信があるわけではありません。
とはいえ、大きな空港への降下時は、着陸の間隔を合わせる「整流」という重要な役割を担っており、悪天候などのトラブル時には飛行ルートを大きく蛇行させたり、時には決められた空域で旋回させるなどの指示を出すことも。そのため、大きな空港の周辺では交信が多くなります。
航空路管制にコンタクトしている高空を巡航中の航空機から発せられる電波は、遠く300kmほど飛んで行くので、空港が近くにない人でもエアーバンドが聞ける可能性があるのです。
航空路管制はVHF帯とUHF帯に割り当て
民間機だけではなく、基地から基地へと移動する自衛隊機や在日アメリカ軍機も航空路管制を受けています。基地間の定期便を運航しているC-2などの輸送機や、展示飛行のために松島基地から移動するブルーインパルスも航空路管制を受けているのです。
このため、民間機が使用するVHF帯以外に、軍用機用にUHF帯にも周波数が割当てられています。とはいえ、自衛隊機が必ずしもUHF帯を使用するとは限りません。輸送機を中心にVHF帯を使用することも多いからです。
また、進入管制が実施されていない空港への進入許可を出すことも、航空路管制の役割です。松本空港などのレディオ(RDO)空港へ着陸する航空機は、空港へ進入するルートに乗るための許可を、航空路管制の管制官から得ています。

ラジオライフ編集部

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