NHK受信料はカーナビやワンセグテレビにも支払い義務?
いまやドライブに欠かせないカーナビでは、かつてワンセグのテレビ視聴機能が搭載されたモデルが主流でした。ところが、最近発売中のカーナビのほとんどは画質が落ちるワンセグではなく、家庭で見るテレビと同じ画質のフルセグを搭載するものがほとんど。実は、ワンセグ・フルセグどちらを選んでも、カーナビにNHK受信料は発生。NHK受信料はカーナビやワンセグテレビにも支払い義務があるのでした。
NHK受信料はカーナビもワンセグも支払う
NHKとの受信契約は放送法上、テレビを受信できる設備を所有している人であれば必ず結ばなくてはいけないという規定にです。NHK受信料が必要になる「テレビを受信できる設備」には、普通のテレビだけでなく、スマホに内蔵されているワンセグ機能やテレビが受信できるカーナビも含まれます。
ただし一般家庭の場合、住んでいる世帯がNHK受信契約を結んでいれば、カーナビのテレビも「同一世帯内」という扱いになり、追加でNHK受信料を払う必要はありません。NHK受信料が問題になるのは、自宅にはテレビを所有せずカーナビだけにテレビ受信機能が付いているといったケースです。
じつは、このカーナビだけにテレビ受信機能が付いているケースで、NHKを相手に「受信契約を結ぶ義務がないことを確認する」という民事訴訟が過去にありました。このケースで東京地裁が出した判断は、NHK受信契約を結ぶ義務があるというもの。つまり、現状ではカーナビのテレビだけ持っていてもNHK受信料の支払いが必要となるのです。
NHK受信料はカーナビがワンセグ・フルセグ同じ
カーナビに搭載されているNHK受信料が必要なテレビ機能には、ワンセグ・フルセグの2種類あります。このうち、フルセグは一般的な地デジテレビと同じ方式で、地デジ放送の1チャンネルを区切る13セグメントのうち12セグメントを受信。ワンセグでは残りの1セグメントを受信することになります。
地デジ放送にワンセグ・フルセグの2種類が用意された背景には、放送の情報量が増えるほど、電波の受信や表示に電力が多く必要になるという原理があります。ワンセグは、周波数帯を絞り情報量を減らすことで受信時の消費電力を抑えるために用意されたもので、当初から携帯電話やカーナビでの利用が想定されていました。
しかし、ワンセグの情報量が少ないということは、フルセグに比べて画質が落ちるということ。NHK受信料が必要になるカーナビの場合、ディスプレイは年々大型化してワンセグでは画質が見劣りするようになりました。現在販売されている新車のカーナビは、ワンセグではなくフルセグを搭載するモデルが増えているのです。
さらに、NHK受信料から見てもカーナビのテレビはワンセグは不利です。画質が劣るワンセグ搭載のカーナビでもフルセグと同じ地上契約分のNHK受信料を支払う必要があります。これは、NHK受信料にはBS放送を含む「衛星契約」と地デジのみの「地上契約」の2種類しかないため。カーナビのワンセグテレビ向けに割安なNHK受信料が設定されていないためです。
NHK受信料カーナビのみチューナーなしの場合
ただし、カーナビのテレビに関しては、マンションの地下駐車場や自宅近くに駐車場を借り保管する場合も、NHK受信料的には自宅にテレビを設置したと見なされます。そのため、自宅でNHK受信契約を結んでいる場合、カーナビ分として追加でNHK受信料を支払う必要はありません。
また、メーカー純正カーナビの場合、安全運転のため走行中にはテレビ画面が映らないため、そもそもNHK受信料が必要なカーナビのテレビなど必要ないという人も増えています。こうしたニーズに合わせ、各自動車メーカーではNHK受信料が必要にあるテレビチューナーをオプションにするモデルも存在。カーナビにテレビチューナーがなければNHK受信料を支払う必要はなくなります。
例えば、2021年の新車販売台数1位のトヨタ・ヤリスではディスプレイとFM・AMラジオチューナーがセットになった「ディスプレイオーディオ」が標準搭載され、カーナビとNHK受信料が必要になるテレビチューナーはオプション設定です。そのため、オプションで地デジチューナーを選ばないカーナビのみの場合、NHK受信料を支払う必要ありません。
契約種別 | 支払方法 | 月額 | 2か月払額 |
衛星契約 | ・口座振替/クレカ継続払 | 2,170円 | 4,340円 |
・継続振込 | 2,220円 | 4,440円 | |
地上契約 | ・口座振替/クレカ継続払 | 1,225円 | 2,450円 |
・継続振込 | 1,275円 | 2,550円 |
ラジオライフ編集部
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