テレビ局がやたら数字を読み上げる謎の交信とは
テレビ局のVHF帯放送連絡波では、やたらに数字を読み上げる謎の交信が行われます。「はい、1.5、1.3、2.0、2.1、1.5、1.4、1.4、落ちました、落ちました。戻して～、その方向～、その方向。2.0、2.1、2.2、2.2、現在そのあたり最良です。2.2ですね」といった内容。テレビ局がやたら数字を読み上げる謎の交信を見ていきます。
テレビ中継車が本社と無線で方角調整
これは、交信中の内容から類推できるように「方調（ほうちょう）」と呼ばれる作業です。方調とは、テレビ中継車が本社と無線で連絡をしながらアンテナの方角を調整することです。
テレビ中継車はFPU（Field Pickup Unit）回線を用いて中継することが多く、マイクロ波を使うFPUはアンテナの方角をキッチリ合わせないと使えないことから、無線で連絡しながら向きを合わせます。
交信中に出てきた数字は、「レベル数字」と呼ばれるもので、この数字を元にアンテナを調整します。レベル数字ではなく、“ピーピロピー”というメロディが流れる「音階」を用いて方調するテレビ局もあります。
テレビ中継車やヘリと本社の上下関係
方調の交信はよく聞こえてくるのですが、あまり臨場感ある交信は聞こえません。聞き応えがあるのはこのような通話でしょう。本社から報道ヘリに対しての「何してんの！ カメラそのまま寄りで置いといて！ ヨシ、じわーっと引こうか。その辺で屋号入れて…ストップ、ストップ。…はい切れました。お疲れ様」などの交信です。
これは夜のニュースの時間帯に事件が発生し、急きょ報道ヘリが飛び立って生中継をした際の交信の一部分です。放送連絡波の無線機は報道ヘリの操縦席横に設置され、ヘッドセットで運用します。
普段の交信ではそうでもないのですが、生中継となるとミスが許されないこともあって気が立つのでしょう。交信の口調から、本社と報道ヘリや中継車の上下関係が感じられることもあります。
ラジオライフ編集部
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