無線通信の傍受が合法行為と規定されている理由
無線通信は一斉通達できる同報性がメリット。一方で、無線通信が電話と違うのは特定の相手だけではなく、無線機を持ってる同じ組織の人たちにも一斉に伝えられることです。実際、無線通信を傍受すると通話がそのまま聞こえてきます。その生々しい内容に、「盗聴なのでは?」と思う人もいるかもしれません。
無線通信の傍受は電波法によって規定
無線通信の傍受を「違法な行為じゃないのか?」と思う人もいるでしょう。しかし無線通信の傍受は、電波の法律である「電波法」によって合法行為と規定さています。
無線通信は本来の相手ではない、無関係な別の人間がその内容を聞いても問題はありません。無線通信は、誰かに聞かれていることを前提として行われているからです。
これは無線通信の歴史によるところが大きく、初期の無線通信の対象が船舶であったことに起因します。大海原を1隻で航行する船舶に、重大なトラブルが発生した際に出される救難信号の「SOS」は、近隣を航行する船舶はもちろん、遠く離れた陸上の誰かに受信してもらい、救助してほしいという合図です。
無線通信は聞かれるものという大前提
無線通信は、1894年にマルコーニが通信実験に成功したことが起源とされ、130年近くが経ちますが、無線技術が急速に進化し通信方式が細分化していったのは、21世紀に入ってからです。
それまでの無線通信は通信方式が限られており、同じ方式を使用している他者の通信が、聞けてしまうのが当たり前でした。思いがけず聞こえてしまったものまで、違法とすることはできないわけです。
これらの歴史的・技術的な背景もあり、現在でも無線通信は誰かに聞かれるものという大前提で行われています。ゆえに、無線通信の傍受は合法的な行為なのです。
ラジオライフ編集部
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