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タクシー無線のデジタル化が完了するまでの経緯

おもしろ無線の世界で、2016年はどん底の年でした。地元なら確実に聞けた消防無線と、ニュースを先取りできたマスコミ無線が5月31日をもって、デジタル化され聞けなくなってしまったからです。同時にタクシー無線もデジタル化の義務を負っていたのですが、完全移行はなりませんでした。詳しく見ていきましょう。


タクシー無線のデジタル化が完了するまでの経緯

タクシー無線のデジタル化は2年延長

官である消防組織や大企業の放送局と違い、タクシー会社は都市部の巨大グループからの地域を数台で営業する小さな会社まであり、資金規模も大きく違ってきます。

小規模なタクシー会社では高額なデジタル無線機の導入は大きな負担となり、デジタル化が間に合わなかったのです。全国で404社がアナログ波を継続することになりました。

そして、デジタル化は2年間延長されることに…。とはいえ、2016年末には300社近くがデジタル化。そして2018年5月末には、タクシー全社がデジタル化を完了したのです。


タクシー無線のデジタル化には102波

タクシー無線のデジタル化は、アナログ波の割当て帯域を拡張するかたちで行われました。基地局453MHz帯、移動局467MHz帯の126波と、アナログ波の一部だった基地局450MHz帯、移動局458MHz帯の102波が割当てられたのです(表1)。

デジタルの変調方式は当初、高度な機能を持つπ/4シフトQPSK方式(QPSK方式)だったのですが、機能を削いで低コストで提供できる4値FSK方式(FSK方式)も採用されました。タクシー無線は聞けない無線になったのです。

東京のタクシー会社は、高度な機能を有するQPSK方式の無線機を搭載。配車のメッセージを受信したり、自車の位置情報と営業状態のデータを自動送信しています。(文/さとうひとし)

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ラジオライフ編集部

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