タクシー無線を“見ること”が可能になった?
エーオーアールがデジタルハンディ受信機「AR-DV10」を2018年に発売。受信モードをD-CRに設定することで、FSK方式のタクシー無線の一部が受信できるようになりました。ところが、音声が出るまでに数十分かかることもあれば、延々と数時間かかることもあって、受信は根気を要するものでした。あまりにも非効率なので、タクシー無線は受信対象から外れていったのです。

タクシー無線機さながらの機能を搭載
時代が変わったのは2023年。アルインコから「DJ-X100」が発売され、FSK方式のスムーズな受信はもちろん、高度なQPSK方式も受信できるようになり、デジタルタクシー無線は聞ける無線として戻ってきたのです。
DJ-X100は聞けるだけではなく、タクシー無線を“見ること”が可能になりました。タクシー無線のデジタル化によるメリットは、アナログ時代は音声で指示していたお客の元にタクシーを向かわせる配車の指示を、QPSK方式では文字データとしてタクシーに送れるようになったことです。
配車指示がメッセージとして残るため、単純な誤配車を防げます。DJ-X100はこのメッセージを解析して、ディスプレイに文字情報として表示するという、タクシー無線機さながらの機能を搭載したのです。
タクシー無線に含まれるGPS情報解析
また、DJ-X100をPCに接続して「ALINCO Position Viewer」を起動させるとタクシーの現在位置がマップ上に示されます。これは配車係が見ているモニターと同じです。
こんなことが可能な理由は、タクシーから発射される電波に含まれる、GPSによる位置情報を解析しているからです。DJ-X100の登場でタクシー無線は、メインの受信ターゲットに戻ってきました。聞きながら見られる新時代のデジタル無線になったのです。
なお、AR-DV10も2024年のファームアップでFSK方式のタクシー無線に完全対応。デジタル波の音声化に数時間を要していた原因、ホワイトニングコードへの自動追従が即座に行われるようになり、スムーズな受信を実現しています。(文/さとうひとし)
ラジオライフ編集部
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