領空侵犯する国籍不明機への警告に使う周波数
航空自衛隊の任務で最も重要なのが、日本の領空に近づいてくる国籍不明機への対応です。2021年度は1004回出動しており、その内訳は中国軍機が722回、ロシア軍機が266回と7割以上を中国軍機が占め過去最多。何より、1日平均2.75回も発生している数に驚かされます。領空侵犯する国籍不明機への警告に使う周波数を見ていきましょう。
領空侵犯する国籍不明機へ無線で警告
領空侵犯する外国軍機に向かって、航空自衛隊の戦闘機は2機編隊で緊急発進します。いわゆるスクランブルで、対領空侵犯措置任務のことです。
スクランブルは「アンノウン(Unknown=未確認)」と呼ばれる国籍不明機が日本の領空に接近しつつある状況で、その目標へ戦闘機を向かわせて領空侵犯しないように対象機の監視や、場合によっては無線による警告を実施します。
なお、領空侵犯する国籍不明機への警告に使われる無線もエアーバンドで、世界共通の国際緊急周波数(121.500/243.000MHz)。スクランブル任務の2機の戦闘機は武装しており、攻撃もあり得る重要な任務なのです。
領空侵犯するような動きにスクランブル
航空自衛隊の防空監視網、レーダーサイト(SS:サーベランスステーション)は、国籍不明機が日本の領空内に入る前に対処できるように、領空の外側に防空識別圏(ADIZ=Air DefenseIdentification Zone)を設定しています(各国が独自に決めている)。
防空識別圏内に、国際線の民間機が飛行前に提出しているフライトプランと一致しない国籍不明機をレーダーサイトが捕捉すると、その情報は防空指揮所(DC:ディレクションセンター)に集められます。
そして、国籍不明機の動向を注視して、領空侵犯するような動きを見せる場合には、戦闘機をスクランブル発進させて対処。実際、スクランブル発進したF-15Jの主翼には「04式空対空誘導弾」を装備。グレー一色は実弾で、本体が青いのは重量調整用の訓練弾です。
ラジオライフ編集部
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