戦闘機が管制席と交信するのは編隊長1番機だけ
航空自衛隊基地のエプロン地区に駐機している戦闘機が動き始めるのは、グランドコントロール(以下、GND)の交信からです。戦闘機はタキシング中にタワーコントロール(以下、TWR)の周波数に変更して、滑走路への進入の許可を得ています。GNDの交信からTWRにつながる流れを見ていきましょう。
戦闘機タキシング中にチャンネル変更
戦闘機が誘導路をタキシング(地上滑走)している最中に、GNDからTWRへチャンネル(周波数)変更の指示が出ます。ここで、民間機にはない交信が出てきます。
GNDが戦闘機へ「マーチ05 コンタクト百里TWR チャンネル2(マーチ05、百里TWRとチャンネル2でコンタクトせよ)」と伝えます。
すると、戦闘機は「マーチ05 コンタクト百里TWR マーチ05フライトプッシュ2(マーチ05、百里TWRと交信します。マーチ05フライト、無線機のチャンネルを2に切り替えよ)」と交信しました。
管制席と交信するのが編隊長の1番機
GNDへTWRのチャンネルに切り替えることを復唱した後に、編隊を組んでいる僚機に「プッシュ2」と伝え、無線機のチャンネルを操作して2chに切り替えるように命じたのです。
交信では「マーチ05」の1機だけに聞こえますが、航空自衛隊の場合、戦闘機は2機編隊での飛行が基本なので、2機が滑走路へと向かっています。交信では「マーチ05」のコールサインを使っていますが、実際は編隊を意味する「マーチ05フライト」なのです。
これは管制席と交信するのが編隊長である1番機の「リーダー」だけで、僚機となる2番機以下の「ウイングマン」は、リーダーと管制席の交信を受信して行動しているため、管制席との交信には登場してこないのです。(文/真田幸雄)
ラジオライフ編集部
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