ブルーインパルスのアクロバットは離陸後に決定
ブルーインパルスの展示飛行にとって、天候は重要なファクターです。有視界飛行であるため、雲の中は飛行できず、雲の量や種類、高度によって展示飛行の構成が変わってくるからです。この構成のレベルが「区分」。見晴らしが良いほど区分の数字が小さくなり、垂直系の急上昇や急降下を行う迫力のあるアクロバット飛行が可能です。

ブルーインパルスの飛行区分に予報
航空自衛隊に限らず、自衛隊の航空基地には気象観測と予報を行う部隊があり、航空機の運航に関する情報提供をしています。ブルーインパルスが展示飛行をする場合には、この部隊が観測して予報した情報をもとに、どの区分で実施可能かを判断しているのです。
さらに、航空自衛隊の基地には各種気象観測装置があり、詳細なデータや気象庁のデータなどを合わせて、展示飛行時の気象予報を作成しているのです。
ただし、基地から遠く離れた場所でのイベント飛行の場合は、現地に携帯型気象観測装置(TACMET-R)を展開して、雲底高度や視程、気圧などを観測しています。こういった隊員の努力も、ブルーインパルスを支える力の一つです。
ブルーインパルスの飛行区分は離陸後
実際に区分を決定するのは多くの場合、ブルーインパルスが離陸してから。5番機が周辺の雲底の高さや視程などを確認する天候調査やウェザーチェックと呼ばれる作業を、実際に飛びながら実施して、1番機の編隊長に報告します。
この情報と気象班の観測と予報を合わせて、区分が決定されるのです。時々刻々と変わる天候に応じて、展示飛行中に区分を変更する場合もあります。
展示飛行中も常に観測と予報を行っており、「気象隊から、10分後にシーリング3,000フィートの雲が入ってくる」などの情報が、地上の統制官からエアーバンドで編隊長に伝えられ、飛行しながら雲底をチェックして、その変化に応じて飛行中に区分を下げたり上げたりすることもあるのです。

ラジオライフ編集部

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