移動式オービス続々導入の裏で激化する価格競争
ここ数年、ドライバーの脅威となっているのが移動式オービスによるスピード違反の取り締まりです。移動式オービスの導入台数は全国各地で増え続け、それにともない激化しているのが価格競争。実は、日本向けに移動式オービスを製造するメーカーは2社あり、各都道府県が行う入札で両社の代理店がしのぎを削っているのでした。
移動式オービスには3種類が存在する
道路脇や本線上側にスピード測定装置とカメラをセットで設置し、測定装置で発見したスピード違反車を前方からカメラで撮影。後日、撮影されたナンバープレート情報をもとにドライバーを呼び出して取り締まるシステムが「オービス」です。
もともと、オービスという名称は東京航空計器が販売する装置の商品名ですが、現在は同社以外のモデルもまとめてオービスと呼ばれています。また、かつてオービスは道路脇や本線上部に大がかりな装置を取り付けるのが一般的でしたが、最近導入が増えているのは、持ち運びが可能な「移動式オービス」です。
現在運用中の移動式オービスには、東京航空計器製の「LSM-300」「LSM-310」とセンシス・ガッツォ製の「MSSS」の3種類があります。このうち、LSM-310はLSM-300の後継モデルとして導入されたもので、2021年から一部の道府県で目撃情報が確認されています。
移動式オービス1台あたりの入札価格
移動式オービスが登場した当初、各都道府県警が選ぶモデルはLSM-300が圧倒的でした。しかし、2018年12月に行われた北海道警の入札でMSSSが巻き返しを図ります。この際、LSM-300の入札価格1000万円に対し、MSSSの代理店である沖電気は698万円と300万円以上割安な価格を提示。見事落札に成功しました。
実は、698万円という価格はディスカウントだったようで、北海道警がその後MSSSを追加導入した際の落札価格は850万円でした。とはいえ、LSM-300の標準的な価格が1000万円だとすれば、より割安なMSSSにシェアを奪われ続けてしまいます。そこで、東京航空計器陣営も2020年10月の埼玉県警の入札で巻き返しを図ります。
この入札は移動式オービス4台についてのものでしたが、東京航空計器の代理店であるカナデンの入札価格は3392万円と、1台あたり848万円でした。ちなみに、この際に埼玉県警が導入した移動式オービスはLSM-300ではなく、新型のLSM-310であることが同県警の発表により判明しています。(写真提供/オービスガイド)
ラジオライフ編集部
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