半固定式オービス(阪神高速)の価格が判明した
2021年、阪神高速に新しいタイプのオービスが登場し話題になりました。このオービスは「半固定式」とよばれ、取り付ける基台を何台も作り、オービス本体をローテーションさせて取り締まるというもの。この半固定式オービスの仕組みは、本体の台数を節約しつつ取り締まりポイントを増やすためのものですが、実際どの程度節約になったのでしょうか。
半固定式オービスは本体を移動させる
半固定式オービスとは、可搬式オービスを重い基台に設置したうえで、無人で24時間スピード違反を取り締まるというものです。半固定式オービスが最初に登場したのは岐阜県内で、数百キロ程度の基台の上に東京航空計器のLSM-300を取り付け、基台内に映像記録装置やバッテリー等を内蔵するタイプでした。
しかし、2021年から阪神高速に登場した半固定式オービスは、岐阜県のものとは仕組みが異なります。こちらの半固定式オービスは、基台は路側帯に土木工事で固定したうえで、電源もバッテリーではなく電力会社から配電を受けるため固定式。さらに、半固定式オービスが撮影した画像も電話回線を使い中央装置へリアルタイムに送信する仕組みです。
基台・電源などが固定式なのに半固定式オービスと呼ばれるのは、取り付けるオービス・LSM-310を移動する運用が行われるため。阪神高速の半固定式オービスの場合、基台などの設備は3か所に設置され、1台のLSM-310をローテーションさせスピード違反の取り締まりが行われているのです。
半固定式オービスは1セット3000万円
半固定式オービスのメリットは、固定式と比べてコンパクトな基台で十分なことと、1台のLSM-310で3地点をカバーするため、少ないコストでオービスの取り締まりポイントを増やせる点にあります。
実際に阪神高速が導入した半固定式オービスの場合、東京航空計器が基台3台分の設置工事も含めて一括で受注しており、その価格は合計2895万円です。各都道府県警が導入するLSM-310は、800~1000万円で落札されているため、半固定式オービスの基台3台や中央装置の設置工事分は合計2000万円前後ということになります。
この価格を固定式オービスと比較すると、ここ数年に国費で導入されたループコイル式の固定式オービスの価格は、設置工事をあわせ3500万円が相場。つまり、半固定式オービスであれば、固定式オービス1か所分より安い価格で3か所の取り締まりポイントを設置できるということ。警察側としては半固定式オービスの導入はコスト削減につながるのです。
■オービストップ
オービスとは?種類や光る速度のほか通知や手続きを解説
ラジオライフ編集部
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