可搬式の普及でオービス取締り速度は変わったか?
自動速度取締り装置「オービス」は、これまで一般道で30km/h以上、高速では40km/h以上の速度違反を取り締まるとされてきました。しかし、ここ数年で導入が急速に進む「可搬式オービス」にはその常識は通用せず、設置場所が移動するだけでなく、生活道路での取り締まりも行われています。
可搬式オービスは設置地点を移動可能
「可搬式オービス」と呼ばれる取り締まり装置は、2016年から各都道府県警で導入されているスピード違反の自動取り締まり装置のこと。「可搬式」と呼ばれるのは、大がかりな工事をして設置していた従来までのオービスとは異なり、持ち運びが可能だからです。
現在、可搬式オービスとして導入が進んでいるのは、「MSSS」「LSM-300」「LSM-310」の3モデルです。このうち、MSSSはセンシス・ガッツォ製でレーダー波で速度を計測。残り2機種は東京航空計器製でレーザー光で計測する方式です。
可搬式オービスは設置地点を移動できるため、任意の場所で取り締まりが可能ということ。予期せぬ場所でスピード違反の取り締まりを受けてしまう可能性が高くなるのです。
可搬式オービスで30km/h未満が減少
可搬式オービスでは速度制限30km/hの生活道路での取り締まりも行われており、オービスの取り締まり基準とされる30km/h未満のスピード違反での取り締まり例も報告されています。
ところが、警察庁が毎年公表している超過速度別のスピード違反の取り締まり件数を見てみると、件数合計が2020年の116万件から2021年が106万件と減少するなか、30km/h未満のスピード違反の構成比は86%から85%に1ポイント減少しています。
逆に、30km/h以上のスピード違反の構成比は14%から15%に1ポイント増加。可搬式オービスの登場で、むしろより悪質な速度超過のスピード違反の取り締まり件数が増えているのでした。
ラジオライフ編集部
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