移動式オービス「MSSS」は1台いくらするのか?
全国各地の都道府県警で導入が進み、目撃情報も数多く寄せられている移動式オービスですが、目撃情報の多くは東京航空計器が製造するモデルです。一方で、千葉県警が大量導入したセンシス・ガッツォ製の「MSSS」も勢力拡大中。そんな移動式オービスのMSSSが1台いくらするのかを調べてみました。
移動式オービスMSSSの1台あたりの価格
移動式オービスは、おもに東京航空計器製のLSM-300・LSM-310とセンシス・ガッツォ製のMSSSの3種類が稼働中です。このうち、導入台数ナンバーワンの千葉県警ではこれまでMSSSのみを採用し続けています。
千葉県が最初に移動式オービス1台の一般競争入札を行ったのが、2019年5月のこと。この際は、東京航空計器の代理店であるカナデンとセンシス・ガッツォの代理店にあたる沖電気が応札し、より低い価格を提示した沖電気が698万円(税抜。以下同様)で落札しました。
また、2回目に移動式オービス2台を導入する際も2021年7月に一般競争入札が行われ、カナデンの入札価格2000万円に対し沖電気は1700万円を提示し落札に成功。1台あたりの価格は850万円ということになります。ところが、3回目に7台導入する際には一般競争入札が行われていないのです。
移動式オービスMSSSを800万円で契約
2021年9月に結ばれた移動式オービスの契約は、入札によらない随意契約でした。随意契約は、製造メーカーが1社しか存在しない、あるいは納期が短く入札をしている時間がない場合に使われる契約方法で、発注先を官公庁側で選べる一方で、価格競争がなくなるため理由がない場合には使用が禁止されています。
千葉県が2022年9月に結んだ移動式オービスの随意契約は、移動式オービスの増強が直前の千葉県議会で決まったため、随意契約を選べる理由自体は存在しました。随意契約にすると、官公庁側は発注先の「言い値」で購入するため価格が高く付きそうに思われますが、2022年9月に結んだ随意契約は価格面でも有利なものでした。
千葉県側と沖電気が結んだ契約書類を見ると、沖電気側が最初に提示した見積もりが5600万円で、1台あたりにすると800万円。つまり、2021年7月の入札価格から計算した1台あたりの金額にあたる850万円より安いのです。
ラジオライフ編集部
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