首都高で試験的に導入された新方式オービスとは
首都高速都心環状線を100km/hを超える猛スピードで走行する「首都高ルーレット族」は、オービスの設置場所を熟知しているため、警察による取り締まりからうまく逃れていました。そこで、警察はいわば新方式のオービスとも呼べる取り締まり方法を開発・投入したのです。詳しく見ていきましょう。

首都高ルーレット族はオービスで減速
「首都高ルーレット族」とは、深夜に都心環状線を何周も走り続けラップタイムを競うドライバーのこと。首都高速の料金がルートに関わらず入口・出口の組み合わせで決まることを利用しています。
深夜にカーブの多い環状線を100km/hを超えるスピードで走行することから、首都高ルーレット族をパトカーが追尾してスピード違反で取り締まることは困難です。
都心環状線にはオービスも何か所か設置されているものの、その手前だけ減速して取り締まりを回避。首都高速を管轄する警視庁も首都高ルーレット族の取り締まりに手を焼いていました。
そこで、警視庁が首都高ルーレット族対策のスピード取り締まり用に、いわば新方式のオービスとも呼べる手法を考案。交通警察の専門誌『月刊交通』2021年8月号の記事によると、2020年8月28日以降、試験的に新方式で首都高ルーレット族の取り締まりを実施しました。
首都高ルーレット族にオービス新方式
首都高ルーレット族の取り締まりに投入された新方式のオービスは、赤外線投光器とハイスピードカメラを組み合わせ、首都高速の外側からスピード違反車を撮影するというものです。
ハイスピードカメラとは、1秒間に1万コマ以上の映像を連続撮影するカメラで、自動車が撮影されたコマ数からそのスピードを割り出すことが可能です。
さらに、新方式のオービスによる取り締まりは赤外線投光器を利用するため、ドライバー側では取り締まりが行われているかどうかすらわかりません。
新方式オービスの取り締まりは2021年6月までに3回行われ、59件の取り締まりが行われました。なお、警視庁は新方式オービスの取り締まりを行った地点も非公開としています。

ラジオライフ編集部

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