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白骨死体でも「首さえあれば何とかなる」の意味

白骨死体やバラバラ死体といったニュースが世を騒がせることもしばしば。発見された頭蓋骨から生前の顔貌を蘇らせることによって事件を解決する個人識別のエキスパートが科学警察研究所の検死技官です。日本で身元不明の変死体は5万体を超えますが、検死技官たちにより今日も地道な個人識別捜査が続けられています。


バラバラ死体「首さえあれば何とかなる」の意味

死体がバラバラの場合はまず首を探す

死体発見における警察の初動捜査の最大の関心事は、まず「この被害者は誰なのか?」という一点に注がれます。発見された変死体が生前、顔にどんな肉と皮をつけ、誰であったかということは、警察にとっては極めて重大な問題なのです。

死体がバラバラであった場合、警察はまず首を探します。それは頭蓋骨にこそもっとも重要な個人識別要素が詰まっているからです。科学警察研究所(科警研)の元検死技官は「人体の骨は全部で210個。そのうちの33骨でできている頭蓋骨には、個人識別のための情報が非常に多く含まれています」と語ります。

実際、頭蓋骨から得られる情報は多岐に渡ります。「頭蓋骨から得られる個人情報は性別、年齢、血液型、身長、死後経過時間。他にも目の大きさや鼻の形、顔型、歯形。犯罪捜査というのは、胴体がなくとも首さえあれば何とかなる」のでした。


バラバラの白骨死体の年齢判断は縫合

本格的に警察の科学捜査で復顔技術が取り入れられはじめたのは昭和45年ごろ。それまでは復顔に関する基礎データがありませんでした。基礎データの収集は「顔面上の合計36か所の計測ポイントを決め、骨から表面までの肉厚を測っていく。これを年齢ごとにデータを採取していくわけです」と話します。

顔の肉の厚さは年齢によって違いがあり、頭蓋骨が出てきて年齢さえ判別すれば、あとはこのデータの平均値に従って肉付けをしていくだけ。バラバラ死体であっても、ふさわしい顔ができるといいます。

バラバラ死体の年齢判断は頭蓋骨にある「縫合」の癒着の状態を検死技官はチェック。縫合とは、簡単に言えば骨と骨をつなぐギザギザのことです。赤ちゃんの頭がフカフカしているように、縫合は幼児期に離れていて、成長とともに次第にくっつき、老年期には完全に癒着して、今度は線が消えはじめます。

この縫合というのはかなり正確で、およそ5歳刻みの判断が可能です。他にも骨細胞の老化具合、歯の摩滅の進行程度も参考にして、年齢を見分けるのでした。

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ラジオライフ編集部

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