いよいよパソコンやスマホもNHK受信料の対象?
最初からチューナーが内蔵されているテレビやレコーダーと違い、チューナーを搭載しないパソコンやスマホはいまのところNHK受信料の対象外です。しかし、今後NHKがネット配信により力を入れることに合わせ、国の委員会ではパソコンやスマホもNHK受信料の対象にしようとする議論がいままさに進行中なのです。

NHK受信料の議論が4月からスタート
ネット配信に関するNHK受信料の議論は、総務省が設置した「デジタル時代における放送制度のあり方に関する検討会」という研究会の部会にあたる「公共放送ワーキンググループ」で2023年4月にスタートしました。
公共放送ワーキンググループは2022年9月に開始し、NHKのインターネット配信をどのように行うべきかを中心に議論を行う部会です。議論が進むなか、2023年4月の総務省側がインターネット配信の財源をどうするかのたたき台として、「視聴料収入」「広告収入」「税収入」「受信料収入」の4種類を提示したのです。
総務省が示した4種類のうち、視聴料収入と受信料収入は似ているようで大きく異なります。というのも、視聴料収入はNetflixをはじめとするサブスクリクションサービス同様に、契約した視聴者のみが料金を支払うものです。NHKのサービスではNHKオンデマンドが視聴料収入にあたります。
パソコンのNHK受信料は別の料金体系
一方、受信料収入となると、受信可能な設備を所有する人はNHKの番組を見なくても受信契約を結び受信料を支払うことになるのです。仮に受信料収入の対象をパソコンやスマホに拡大した場合、テレビを持たずにパソコンやスマホを持っている世帯も、ネットに接続可能であればNHK受信料の対象になる恐れが出てきます。
ところが、総務省のWebサイトで公開された議事要旨によると公共放送ワーキンググループでは参加した委員全員が視聴料収入・広告収入・税収入には否定的で、ネットに接続したパソコンやスマホも受信料収入の対象にすることがふさわしい、という方向で議論が進められているのです。
ただし、パソコンやスマホを単に所有しただけでNHK受信料の対象とすることには無理があるためか、NHK受信専用のアプリを利用した場合のみ受信料の対象するなどさまざまなアイデアが出されています。また、パソコンやスマホが受信契約対象になった場合は、テレビとは別の料金体系にすべきという意見もあります。
現在公開中の最新議事要旨によると、公共放送ワーキンググループでは今夏一杯をめどにとりまとめを行うことを予定しており、2023年8月~9月に開催される会議である程度の方向性が示されることが予想されます。はたして、パソコンやスマホにどのような受信料制度が適用されることになるのか注目です。

ラジオライフ編集部

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