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毎月のNHK受信料に消費税がかかっている裏事情

2023年10月に1割ほど値下げされたNHK受信料ですが、そもそも消費税はかかっているのでしょうか。学校の授業料など公共性を理由に消費税が免除されるものがあるなか、「公共放送」とされるNHKの受信料に消費税がかかるのは不思議な話。じつはNHK受信料は、わざわざ法令で特例を定めて消費税の課税対象としているのでした。


毎月のNHK受信料には消費税はかかっているか?


NHK受信料は法律上では課税対象外?

テレビ視聴者とNHKが結ぶ受信契約では、NHK受信契約対象の世帯や受信料などについて細かく定められています。このうち、NHK受信料については消費税込みの金額が書かれていて、衛星契約は月1950円、地上契約は1100円です。

つまり、NHK受信料は消費税の課税対象になっているわけですが、NHK受信料に消費税を課税するかどうかは、過去に大きな争点になっていました。というのも、消費税法で課税対象とされている「資産の譲渡等」にNHK受信料が含まれるかというと、じつは怪しいからです。

消費税法には「資産の譲渡等」について「電気通信利用役務の提供」というものが挙げられています。しかし、NHK受信料を「役務の提供」としてしまうと、NHK受信料はテレビ放送を受信した人がその対価として支払うものになり、NHKを見ない人は受信料不要という理屈も成り立ってしまうのです。


NHK受信料は政令の特例で消費税対象

実際、NHK会長は過去の国会答弁でNHK受信料は役務の提供に対する対価ではないと発言したこともあり、少なくともNHK自身はNHK受信料は消費税の課税対象でないと考えていた可能性もあります。ところが、実際はNHK受信料を消費税込みで視聴者に請求し続けているのです。

NHK受信料が消費税の課税対象となっている理由は、法律の消費税法ではなく政令の消費税施行令が「不特定かつ多数の者によつて直接受信されることを目的とする無線通信の送信で、法律により受信者がその締結を行わなければならないこととされている契約に基づき受信料を徴収して行われるもの」は課税対象とすると定めているためです。

「不特定かつ多数の者によつて直接受信されることを目的とする無線通信」は放送のことを指し、放送に関して「法律により受信者がその締結を行わなければならないこととされている契約」はNHK受信契約以外にありません。つまり、NHK受信料は政令で例外的に消費税対象とすることが定められているといえます。

ちなみに、消費税には日刊新聞(定期購読のみ)と飲食料品については8%の軽減税率が適用されていますが、NHK受信料は軽減税率の対象外。新聞以上に公共性が高いとも考えられるNHK受信料ですが、NHKと受信契約を結んだ視聴者は標準税率の10%分を消費税として徴収されているのです。

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ラジオライフ編集部

ラジオライフ編集部三才ブックス
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