中国発のAI「DeepSeek」が低コストな理由とは?
ChatGPTなどAIサービスが台頭する中で、その対抗馬として注目を集めているのが、中国発のAI。低コストながら高性能ということで、世界に衝撃を与えています。開発スピードの速さや実装の柔軟さが特徴で、既存のAIサービスを参考にしたという噂もありますが、いずれにせよ驚異的な勢いで高性能化が進んでいるのは事実です。

DeepSeekは各分野に特化したAIで分担
そんな中国産AIの中でも、特に注目されているのが2025年1月に登場した「DeepSeek」。政府の支援を受けた民間企業によって開発された対話型のAIサービスです。
OpenAIのGPT-4に匹敵する性能を持ちながら、開発コストは1/10。しかも、無料で利用可能ということで、その登場により米国のAI関連株が軒並み暴落したほどです…。
DeepSeek(V2)が低コストな理由の一つは、従来のLLM(大規模言語モデル)ではなく、MoE(混合専門家モデル)で複数の専門的なAIを組み合わせたところにあります。各分野に特化したAIによって役割分担をさせることによって、LLMに比べてコストを圧縮できるとのことです。
DeepSeekに中国による情報取得リスク
世界が注目するDeepSeekですが、一方で利用を制限する動きもあります。アメリカ、韓国、オーストラリア、台湾、日本などでは政府機関の端末での使用が禁止されており、イタリアではアプリストアでの配信を停止中です。
その背景には、中国による情報取得リスクがあります。2017年施行の国家情報法では、中国企業に政府の情報活動への協力義務が課されており、ユーザーデータが中国政府に渡る可能性が指摘されているのです。
こうした動きに対して中国政府は「違法な形式でのデータ収集を行ったことはない」と否定。政治問題化することに対して反発しています。(文/pusai)
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ラジオライフ編集部
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