唯一の1200MHz帯ハンディDJ-G7生産終了の裏側
2022年4月末、アマチュア無線界に衝撃が走りました。アルインコの「DJ-G7」が、間もなく生産を終了するという正式アナウンスが、各無線ショップに通知され、SNSを通じてアマチュア無線家にも一気に広まったのです。DJ-G7生産終了の裏側を見ていきましょう。
![唯一の1200MHz帯ハンディDJ-G7生産終了の裏側](https://radiolife.com/wp-content/uploads/2022/09/dj-g7.jpg)
DJ-G7は2022年6月をもって生産終了
アマチュア無線局の数が多かった1990年から2000年頃にかけては、各無線機メーカーから、1200MHz帯にオンエア可能なFMハンディ機が、多数発売されていました。
しかし、2000年代に入ると生産完了が相次いで、DJ-G7が登場した2009年は、唯一の1200MHz帯ハンディ機だったのです。アルインコは広告で「オンリーワン、1.2GHz帯内蔵のトライバンド・ハンディです」と積極的に宣伝しました。
DJ-G7は2波同時受信や0.5~1300MHzの広帯域受信といった機能と相まって、一躍、人気を集めます。しかし、昨今の半導体不足の影響を受け、2022年6月をもって生産終了となったのです。
DJ-G7生産終了で現行モデル固定機のみ
DJ-G7の生産終了により、1200MHz帯が運用できる現行のモデルは、アイコムの固定機「IC-9700」(2019年発売)だけになってしまいました。なぜこんな寂しい状態になったのでしょうか。
2022年7月現在、日本のアマチュア無線局の総数は約37万7000局。このうち144MHz帯で免許を受けている局は約34万9000局、430MHz帯は約34万8000局もいるのですが、1200MHz帯は約8万2000局です。
つまり、1200MHz帯は144/430MHz帯の1/4にも満たないのです。各メーカーは「市場規模が小さく、多額の開発コストをかけて新製品を投入するメリットが薄い」と判断したと考えられます。今後も1200MHz帯ハンディ機の新製品登場は望み薄かもしれません。(文/大伴俊夫)
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ラジオライフ編集部
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