ICカードの情報は半径2m以内なら読み取れる
北朝鮮による精巧な偽100ドル「スーパーK」を発見。世界でもトップレベルの紙幣鑑別技術を持つ松村エンジニアリングは、紙幣のみならずカギやIDカードのセキュリティ分野でも基礎研究、暗号化技術で業界最高レベルです。CEOの松村氏にICカード偽造・変造の可能性とカード犯罪の最新事情を聞きました。

ICカードを犯罪グループは狙わない
「Suicaは破れるんですか、破れないんですか」という取材をよく受けます。これ、なかなか難しいんですよ。Suicaって限度額(上限2万円)が小さいので、こういったICカードには犯罪グループは手を出さないんです。
エンジニアとして数学に強いソフト担当とハード担当が合計10人ぐらいと、コンピュータが50~100台あれば、ICカードのスクランブルのかかっている部分を解析できる可能性は高いです。
ただ、コピーか改ざんかで難易度は違うものの、解析には数千万円かかり、金額面でも犯罪面でもリスクが高いもの。わざわざお金をかけて複雑なICカードを狙いません。狙うなら50年前の技術がそのままの磁気ストライプ型カードでしょう。
ICカードの残額データは読み取れる
「電車に乗っているだけで、ICカードの情報が盗まれる」みたいなニュースがテレビでよく流れますが、発信源はうちですね。
秋葉原で1,000~2,000円で売っているリーダーでさえ、カードの残額などデータはある程度まで読み取れます。1回電車に乗っただけで、数百人分のデータを読み取るのは簡単です。
マッチ箱ぐらいの読み取り装置をUSBケーブルでスマホに接続し、半径2m以内くらいにいる人がターゲットになります。
■「ICカード」おすすめ記事
ICカードの内側を溶剤で溶かして覗いてみた
セキュリティ第一人者が語るICカード犯罪事情

ラジオライフ編集部

最新記事 by ラジオライフ編集部 (全て見る)
- ユピテルの4Kドラレコ「Y-4K-02」を実走テスト - 2025年5月11日
- 網戸の位置を変えるだけの手軽な空き巣対策とは - 2025年5月11日
- ETC周遊パスでマイレージ15%ポイントアップ中 - 2025年5月11日
- PS2やWiiに対応する中華エミュレータ機の使用感 - 2025年5月10日
- 高速道路で速度違反の取締りに面パトが潜む場所 - 2025年5月10日
この記事にコメントする
あわせて読みたい記事

地域連携ICカードはSuicaとしても使える注目システム

セキュリティ第一人者が語るICカード犯罪事情

ICカードの内側を溶剤で溶かして覗いてみた
オススメ記事

2021年10月、ついに「モザイク破壊」に関する事件で逮捕者が出ました。京都府警サイバー犯罪対策課と右京署は、人工知能(AI)技術を悪用してアダルト動画(AV)のモザイクを除去したように改変し[…続きを読む]

モザイク処理は、特定部分の色の平均情報を元に解像度を下げるという非可逆変換なので「モザイク除去」は理論上は不可能です。しかし、これまで数々の「モザイク除去機」が登場してきました。モザイク除去は[…続きを読む]

圧倒的ユーザー数を誇るLINEは当然、秘密の連絡にも使われます。LINEの会話は探偵が重点調査対象とするものの1つです。そこで、探偵がLINEの会話を盗み見する盗聴&盗撮テクニックを見ていくと[…続きを読む]

盗聴器といえば、自宅や会社など目的の場所に直接仕掛ける電波式盗聴器が主流でした。しかし、スマホ、タブレットPCなどのモバイル機器が普及した現在、それらの端末を利用した「盗聴器アプリ」が急増して[…続きを読む]

おもちゃの缶詰は、森永製菓「チョコボール」の当たりである“銀のエンゼル”を5枚集めるともらえる景品。このおもちゃの缶詰をもらうために、チョコボール銀のエンゼルの当たり確率と見分け方を紹介しまし[…続きを読む]