ブルーインパルスは周波数を切り替えずに離着陸

航空祭では8～9時頃から始まるオープニングフライトを終えた全機が着陸すると、各航空機の展示飛行がスタートします。展示飛行では、その基地に所在する部隊の航空機はもちろん、他基地から飛来してきた「外来機」と呼ばれる航空機による機動飛行、救難隊による救助訓練展示が定番の内容です。

展示飛行の周波数はUHF帯TWRがメイン

展示飛行の周波数は、基本的にその基地の管制用として割当てられた周波数の中から使用します。航空自衛隊の場合、普段から使用しているUHF帯のTWRがメインの周波数となり、展示飛行を管制します。もちろん例外もあって、RDRの周波数をTWRとして使用することもあるのです。

固定翼の航空機は空中で停止できません。会場上空に進入するタイミングを調整したり、編隊を組むための待機空域、ホールディングポイントが必要になります。この待機空域で周回している際は、隊内の連絡波やAPP、RDRなどに周波数を変更して連絡を取る場合もあります。

また、雲が低くて滑走路が視認しにくい天候では、GCAにより誘導されてローパスや着陸をします。GCAは基本的に1波で1機を管制するため、編隊飛行で多くの航空機が着陸してくる場合は、いくつもの周波数で誘導が行われます。

航空祭の管制の流れは、GNDからTWRへ移りますが、基地周辺（管制圏）を飛行するためDEPには移らず、TWRのまま管制を受け続けます。ところが、ブルーインパルスだけは異なる手順になっているのです。

離陸時のGND→TWRという流れにはならず、展示飛行で使用する周波数をGND兼TWRとして離陸します。展示飛行中も周波数を継続し、着陸後もGNDに変更することなくランプインしていくのです。

ブルーインパルスが使用する周波数は、TWRだけではなく、GCAやRDRなどに割当てられている周波数を専用波として使用する場合もあります。このため、ブルーインパルスは離陸するまでに使用周波数を探し出すことが必要です。

ラジオライフ編集部：三才ブックス

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