殺人現場に刑事より先に鑑識が到着している理由
警察の鑑識課員が殺人事件の現場で遺留品を集めているところに刑事が到着するという警察ドラマでおなじみのシーン。なぜ殺人現場に急行するはずの刑事よりも先に、鑑識課員が到着しているのでしょう。事件発生から捜査本部が設置されるまでの流れと、鑑識の仕事について見ていきましょう。

殺人現場にまず向かうのは所轄の署員
殺人事件などの知らせが入ると、まず殺人現場に向かうのは地域を管轄する警察署(所轄)の署員です。続いて「機動捜査隊」が到着。機動捜査隊員は周辺に犯人が隠れていないか捜査を行ったり、事件発覚時の様子の聞き込みをします。
そして、機動捜査隊が鑑識や捜査一課の刑事を出動させるかどうかを判断。鑑識や捜査一課は事件の規模により出動するか否かが決まります。こうして、殺人現場に次に到着するのが鑑識課員というわけです。
やがて本部の刑事が到着すると、機動捜査隊は状況を報告して捜査の引継ぎ。この一連の動きは「初動捜査(臨場)」と呼ばれています。臨場が終わると所轄内に「捜査本部」が設けられ、本格的な捜査がスタートするわけです。
殺人現場で鑑識が捜査員を立入禁止
殺人現場での鑑識の仕事は、遺留品を集めること。髪の毛1本から爪のひとかけらまで収集し、指紋や足跡といった痕跡も独自の技術で採集・分析します。遺留品は逮捕から起訴、そして裁判の判決に至るまでの証拠となる重要なものです。
このため、鑑識課員は現場で鑑識活動が行われている間、捜査員の立ち入りを禁止することもあります。殺人現場にドカドカと刑事たちに入り込まれては、目に見えない痕跡や細かい証拠品を探す作業の邪魔。捜査一課の刑事より先に鑑識が殺人現場に到着している理由でもあります。
刑事が立ち入り禁止のテープを潜り抜け、殺人現場を物色しながら鑑識課員にあれこれ尋ねるシーンが映画やドラマでよく見られますが、捜査一課の刑事といえども鑑識課員に指示や命令を与える権限はありません。
鑑識課は刑事部に属していますが、他の課とは独立した部署。鑑識課員は、立場的には捜査第一課や捜査二課の刑事などと同等なのでした。

ラジオライフ編集部

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