可搬式オービスの危険度が低い都道府県はどこ?
全国各地でスピード違反取り締まりに使われている可搬式オービスは、ドライバーにとって脅威の存在です。しかし、可搬式オービスの導入台数は各都道府県警によりバラバラで、少ない県に住むドライバーのなかには見たことがないという人も多いかもしれません。可搬式オービスの導入にもっとも消極的な都道府県警はどこでしょうか。

可搬式オービスを新潟県以外は導入
警察庁の「可搬式速度違反自動取締装置の整備状況(平成3年度末)」という文書によると、2021年度末に可搬式オービスを導入していない県は新潟県のみ。他の46都道府県は最低でも1台は導入していることから、新潟県が可搬式オービスの導入にもっとも消極的といえるでしょう。
しかし、新潟県警自体が可搬式オービスに消極的だったわけではなく、新潟県の2020年度予算案には可搬式オービスの費用が盛り込まれていました。ところが、新潟県議会での予算案審議で可搬式オービス導入への反対意見が相次ぎ、結局予算案から可搬式オービスの導入費用を削る修正案が可決してしまったのです。
新潟県議会で出された可搬式オービスへの反対意見は、「1000万円(税込1100万円)で可搬式オービスを導入するより、同じ金額で信号を整備した方が費用対効果が高い」というものでした。とはいえ、可搬式オービス導入は警察庁の方針でもあるため、新潟県警側もなんとか導入を進めようと対策を行っていきます。
可搬式オービスが来年1月に登場予定
その大きなものが、新潟県警が新潟大学と共同で実施した可搬式オービスの実証実験でした。この実験は2021年9~12月の3か月間、東京航空計器から可搬式オービスを借りて実施。交通警察の専門誌『月刊交通』2022年6月号の記事によれば、新潟市内の5地点で実施されました。
その結果、可搬式オービスを設置した地点では、設置前と比べて通過する自動車の平均速度が5.4~8.9km/h低下したとのこと。さらに、2地点では警察官による街頭監視を行った場合と可搬式オービス設置の比較も行い、いずれも可搬式オービス設置の方が平均速度が低下する結果となりました。
この実験結果をもとに、新潟県警は2022年度予算案で再び可搬式オービス導入のための費用を1100万円計上。今度は2020年度と違い新潟県議会で修正されることなく、無事予算案が成立しました。また、2022年7月には新潟県警が可搬式オービス1台分の入札も終え、2023年1月までに納品される予定です。

ラジオライフ編集部

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